【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GAMING THE MULTIVERSE 拡張するゲームと世界 – WIRED VOL.46 」~やはり高級紙… | ページ 3 | ゲヲログ2.0

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GAMING THE MULTIVERSE 拡張するゲームと世界 – WIRED VOL.46 」~やはり高級紙…



p48 かくしてゲーム音楽はポピュラーミュージックになった

このあたりは、ゲーム音楽文化の歴史が語られている。めっさはしょっていうと、最初期のころは地下音楽みたいなスタンスだったけど、それなり人気を博していって初期のころからその大物さは健在だった。例えば、細野晴臣がゲーム音楽出身だったりという意外な盲点を突いている。”もうひとつのレッドオーシャン”が純然たるメジャー文化である”もうひとつのブルーオーシャン”になっていったという経緯が語られているね。そのうちゲーム音楽はポピュラーミュージックと合わさり、多種多様な従来からの伝統にも時として反旗を翻す、テーゼに沿わないアンチテーゼさも含む、ヘーゲル哲学的音楽に称揚されていった…というのがプロットだね☆

p58 ゲームをつくらないゲームエンジン

打って変わってこのあたりは、ゲームエンジンの”広範な”汎用性に焦点が当たっている。ゲームエンジンってのは簡単に言うと、ライブラリみたいなもので、エンジンにアクセスすれば使うツールlikeに引き出しにできる、ということが簡潔に語られ、その応用側面が非常に広いことも指摘されている。例えば、主要エンジンである「Unity」は自動車開発に使われたり、医療シミュレ―ションに用いられたり、建築モデルに派生させられたり、エンターテインメント一途なものではない=社会性を持つということが指摘されているわけ。ゲームエンジンはゲーム開発の試みを超え、汎用性のある社会派エンジンであるわけだ。ゲームがゲームから飛び立って、シミュレーションという意味合いで社会的に接して来る時代、それは広い解決性を持つソリューションになっていくだろう…というニュアンスが、本項では呈示されているわけだね☆