本記事は、蒼唯レン氏(Twitter)に、Skeb上で依頼し執筆・寄稿された記事です。他のゲヲログ2.0の通常記事と違い、著作権は今後も同氏にありますので、コピーレフトの原則に従わないこと・自由に使っていいわけではないことをご了承の上、お楽しみください。
一昔前と比べて、ゲームをパッケージ版で購入する機会は減ったように感じる。筆者はゲームのパッケージが好きで、購入した作品の多くは未だ手元に残したままだ。しかし特に各種ゲームハードのDL版の対応が進んだことや、Steamをはじめとした、PCプラットフォームの普及により、気づけばパッケージ版で購入することのほうが減ってきたように思える。
もとよりオンラインゲームを嗜んでいることや、そのほかにも動画制作やイラスト制作をする兼ね合いから、PCは普段から比較的スペックの高いものを使用している。しかしすべてのPCゲーマーが同じ環境ではなく、大容量のストレージが積まれていないゲーミングPCも決して珍しくない。実際、BTOでゲーミングPCを購入しようとすると、ストレージの初期設定は、大きくても1TB程度であることが多い。
しかしゲームの容量は作品によっては100GBをゆうに超えるものもある。容量の都合から、一時的に遊ばなくなったゲームはアンインストールしている人も決して少なくないのではないだろうか。では実際問題として、どの程度ストレージの容量を確保しておけば、残り容量を気にすることなくインストールし放題になるのだろうか。今回はSteamで販売されている作品の中から、ある程度ジャンルで統計をとってみた。なお、今回はSteamのライブラリから容量を直接確認している。そのため、具体例として提示するタイトルに偏りがあるのは、どうかご容赦願いたい。
筆者のライブラリから、まずはダークソウルシリーズをチェックしてみた。『DARK SOULS』は約7GB。『DARK SOULS II』は約18GB。そして『DARK SOULS III』は約25GBとなっている。シリーズを追うごとに容量は順当に大きくなっている一方で、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』は約14GBと比較的コンパクト。最新作である『ELDEN RING』は約50GBと、同じメーカーの同じ系列作品でも大きく差が開く結果となった。しかし裏を返せば、100GB程度あればソウルシリーズはすべてインストールしておける、と捉えることもできるだろう。
つづいて、モンスターハンターシリーズをチェック。『モンスターハンター:ワールド』は、最高画質設定でプレイしようとすると約100GBもの容量まで膨れ上がる。筆者はPC版でアイスボーンを所持していなかったため、実際はここからさらにボリュームが増えることになる。『モンスターハンター ライズ:サンブレイク』は未所持のため具体的な数字を確認することはできなかったが、どうやら容量はワールドと比較して少なくなっているようだ。設定次第ではあるものの、一作品でソウルシリーズを合わせた容量よりも大きい。
ほかにも、『Dead by Daylight』は約33GB。『NieR:Automata』は約40GB。『CODE VEIN』は約35GB。『地球防衛軍5』は約20GBという結果だった。現在のボリューム多めなアクションゲームは、おおむね20GBから50GB程度に収められている印象を受けた。しかしこれらのアクションゲームを複数本インストールするだけでも、500GB程度なら簡単に使い切ってしまいそうな結果となっている。なお、今回はあまり確認できなかったものの、アクションゲーム以外の作品でも容量が50GBを超えるものが存在。アクションゲームをあまりプレイしないので容量を気にする必要はない、というわけにはいかないようだ。
容量の大きさに関して、特に顕著だったのがFPS視点の作品で、『Apex Legends』は約59GB。『TITAN FALL 2』は約64GB。『Tom Clancy’s The Division』は約51GBという結果だった。ややジャンルは異なるが、『ARK: Survival Evolved』にいたっては、約128GBという大ボリュームとなっている。しかしこれらの作品は、そもそも快適に動かすにもある程度のスペックが要求される。最低限遊べる環境のPCでは、ストレージに余裕がなくなってしまうのは当然といえるのかもしれない。
ざっと調べてみただけでも、比較的最近リリースされているアクションゲームならば、10本もインストールすれば500GB程度は超える可能性があるということがわかった。PCのストレージが1TBだったと仮定して、システムやそのほかのデータを考慮した場合、ゲームに500GBを割くと、PCの使い方にもよるが残り容量はあまり余裕がなくなってくる。いろんな作品を同時にインストールしておいて、気分で遊ぶ作品を選びたい人であれば、ストレージはもう少し大きいものを選んだほうが無難かもしれない。
当然ながら、アクションゲームであっても10GBに満たないコンパクトな作品も数多く存在する。また、容量が大きいというのは作品は、おもに腰を据えてしっかり遊ぶようなビッグタイトルであることが多い。並行してプレイするほど片手間にできるものではなく、定期的に遊ぶというよりは、一度のタイミングで遊び尽くすスタイルのほうが主流であると予想される。
これらのことを踏まえて考えてみると、BTOのゲーミングPCが500GBから1TBというストレージに設定されているのは、あながち間違いではないのかもしれない。というのも、一般的に10本以上の作品を同時期に遊ぶ可能性は低いからだ。とはいえ、人によって遊び方やデータ管理の仕方は当然異なる。遊ばなくなったらアンインストールすることに躊躇がない人もいれば、入れ直すことを手間に感じる人もいるだろう。
もしこれからゲーミングPCの購入を考えていたり、ストレージの追加を検討している人は、まず自らが遊ぶジャンルやタイトルの傾向、そしてゲームを遊ぶスタイルを踏まえたうえで必要な容量を計算してみることをおすすめする。あとから後悔しないためにも、適切なデバイスの選択をしていきたいものだ。