【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GAMING THE MULTIVERSE 拡張するゲームと世界 – WIRED VOL.46 」~やはり高級紙… | ページ 7 | ゲヲログ2.0

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GAMING THE MULTIVERSE 拡張するゲームと世界 – WIRED VOL.46 」~やはり高級紙…



p132 eスポーツコーチの孤独と挑戦

この項では、アメリカ人のゲームコーチがどのような境遇でその仕事にありつき、どうチームをまとめ、挑戦して行っているか?ということをドキュメント形式でまとめたものになっている。恋人との死別などかなり過酷な経験をしてきたあるアメリカ人に焦点を当て、彼がどのようにe-Sportsチームのコーチングをするに至り(どうやら米国では大学機関がe-Sportsチームを運営することも今やままあることらしい)、どうその軍団をまとめ、良い成績を収めたか?そしてその未来・展望はどうなっていくか?ということを実地的な観点からまとめ、ひとつのノンフィクションストーリにしたもの。海の向こうのあちら側のe-Sports情勢を知るにはけっこう良い文献になっていると思う。ちなみにチームはLCCCというコミュニティ・カレッジ(日本の短大に当たる)を本部とするもので、やはり差別の念はあった模様…。

p146 連載記事(三編)

まず、「アヴァターと相互運用性」という連載。次に「ルールを制定するのは誰?」という連載。最後に「プロンプトエンジニアリングと『智恵子抄』」という連載。どれも二ページにまとまっているが、注目に値するのは二編目の「ルールを制定するのは誰?」ぐらいで、他のふたつはメタバースの時事的な解説と文芸的な着想に基づいたエッセイになっているだけであまり興味がそそられない。「ルールを制定するのは誰?」では、地方行政の元政治家と東大所属の建築家との対談になっている。主となるのはネットの世界、行く先々にあるであろうメタバースの世界は、現実空間とどう媒介するのか?どう越境していくのか?という点になっている。例えば、ネット・メタバースは現実と非現実(空間)を越境するのと同時に実際の空間的地理(ドイツとアメリカ・日本とアメリカとかそういうことの対比を指す)をもどのように越境するか?というインスピレーションが語られている。この点だけは興味深く読めて、実際の地方自治担当の元政治家がイノベーションのある世でどう法整備をするのか?という極めて現実主義な立場から短討論が為されている。それだけっちゃそれだけであはあるが…。


といった感じで、このWIREDのゲーム特集回は幕を閉じている。

<糸冬>