とうとう届きました!今回は精読する価値のある本だと、ゲイツも言っているようなので、各章ごとに読み解いていきます。ゲイツは本書からGEについて読み解けることとしていくつか事例を挙げていますが、特にミスの積み重ねの結果の失敗というニュアンスで説いているようです。つまり、エンロンのような巨大スキャンダル・意図した会計上のミスではないということに特徴がある、さらには技術的に劣っているわけでもないうえで失敗が引き起こされたということを、ゲイツは読み解きます。その失敗原因を”ビジネス上の管理ミス”とゲイツは呼称します。ちゃっちゃかと読んでいきましょう。冒頭の一章~二章はジャック・ウェルチあたりそこらへの橋渡しといった感じで進んでますね。
※13章まで読んだ時点での結論
まぁ、あんまいい本じゃないと思うだけどねぇ…なんつか、あくまで史実性に着目しているだけで、GEの悪い部分だけ抽出してると思いますよ。歴史的事業とされるGEプラだって損益計上しているっていう事実があったからこそ売却したんでしょ?あくまでこの本は史実と重ねて、ここが悪いんですよとジャーナリスティックに言うているだけで、”なぜ悪いのか?”という本質的な問いがないです。なぜこの時代にこういったことが起きたのか?なぜダメなのか?という事実に関する根拠が薄く、ゲイツのようなかたがすごい本として取り上げるのかが分からん。あと矛盾が多いです。金融部門が根底から悪いといったり、そこで議論が寸断していたり、ウェルチ時代仕分けのような手法で立場を上げた会社なのは事実なのに、後の章ではそれがダメだといったり…ダメなのはいいけど、”ではなぜダメなのか?”という点が追えてないですよ。みんなゲイツが絶賛してるから、っていう理由だけで買ってない?ベストセラー1位ってだけの御飾り、はっきり言って買う価値ないです。翻訳は的確で絶賛すべきですが、本書の魅力がどこにあるか、はっきり言ってあたしはわかりません。
一章では、GEの電力タービン事業を担うGEパワーに関する危機を、イメルト政権から意外な形で出世したフラナリーCEOが咄嗟に察知する機敏を見せるとこから始まります。フラナリーは金融畑の精査派だったらしく、中核事業のパワー部門に関してあまり知らなかったようで、担当者のボルツ(フラナリーとほぼ同時期のCEO候補)からパワー部門を継承したボーンスタインを詰問する…というところから本書はスタートします。というのも当時のパワー部門ははっきりいって会計上の些細な管理ミスの問題を多く抱えている部門であり、文書を見れば、その問題性は誰もが理解できるものだったそうです。できることをアピールするのでなく、できないことも明確にするという哲学を持っているタイプなのがフラナリーということかな?とにもかくにも、GEの命運を握っているのはおそらく大方が察しているように、今もなおGEを率いているフラナリーだと思われますことはこのあたりから明確になっているようです。
二章からは、時代さかのぼってエジソンの時代、電球発明などに端を発する米国を代表するコングロマリットになってってとこらかな。その後、戦後、ウェルチ政権でめっちゃくちゃに儲けまくる会社になっていることが書かれています。でももうここらでその凋落について書かれてます。端的に言うと、つまらん会社になって、株価が上がらん…ということが書かれてました。株主にとっては魅力のない、フツーの会社になってしまった。でもやっていることは正しい。というのも米国の株主を大事にし続けて、配当とかしっかり回してた。んで、労働組合とは厳しく対峙して社内体制を厳し~く規律したってとこですかね。そこで20世紀最強の経営者・ウェルチ(ニュートロン・ジャック)の登場です!