【連載:クマでも読めるブックレビュー】「インディ・ゲーム新世紀ディープ・ガイド—ゲームの沼」~テーマ性に優れたインディタイトル解説の良書 | ページ 2 | ゲヲログ2.0

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「インディ・ゲーム新世紀ディープ・ガイド—ゲームの沼」~テーマ性に優れたインディタイトル解説の良書



まとめている具体的なテーマ

戦争・インターネットと現代社会・歴史・フェミニズム・LGBTQ+・音楽・アート・アニメ・文学という9章構成。この間にコラムが四つ入る。このコラムは、インターネットと現代社会・LGBTQ+・音楽・文学、と比較的ゲームコラムニストの得意とするであろう、ゲームと社会との接点を探せるようなテーマの末尾についている。

取り上げているゲームの特徴

シミュレーションものや、ポイントクリックノベルのようなゲームが多く取り上げられている。全部が全部ではないけど、ゲームの社会性を積極的に取り上げているだけあって、この傾向が強い。だから本流の3DACTゲームとかはあまりない…というか皆無といってもいい。例えば、「アイドルマネージャー」とかって、インディー出身でPS/Switchユーザにとってもかなり絵になりやすいし現代性があるので書きやすいシムタイトル。こういったシムタイトルやADVタイトルが極めて多くて、コアな評論が盛んになされている。むしろ、「Going Under」などのACTものも”ブラック企業”とか”超過勤務”のようにテーマ的に割り振られているので、どっちかっていうと社会的な分類表に基づいて書いてるなというところか。このあたりの工夫が本書の完成度の高さに貢献できてるなって思う。