JAISTのかたが高く評価していた書。いまさら過ぎる書だけれども読んでいる。ユニークな示唆に富んでいて、HBRの論文集などよりもずっと本質を得ていると思う。
この本は確かに凄い。あたしも大学院のDBAを落とされて二か月が経つが、これを読んでいると『落とされてよかったのかもしれない』と思うようになった。たぶんミンツバーグが言っていることは、『実践力がないMBAはなんら意味を為さない(おそらくDBAも同じ)』ということだと思う。ミンツバーグ教授は言う—『君が若くてMBAに入学しようと思っているのならばそのこと自体が間違いである.高いサラリーを求めて本質を見誤っているのだ.MBAの到着点とはマネジャーの本質であり経営の本質だ.だからこそMBAを今この時再度考えなければならない』と。まず『企業で経営を本質的に学んでから理論的なことをやらなければ意味がない』と(ずいぶんと大雑把に言うと、だが)。
MBAは確かにブームだ。大学院の先輩もMBAが今度はやばいのでは?といっていた(すでに法科大学院は周知のとおりやばくなっている)。本質的な授業がないMBAは特にやばい。意味のない学識を持ってMBAの看板は手に入れられても、マスター・オブ・ビジネス・アドミニストレーションの学位の意味は受け止められないというわけだ。ミンツバーグが言うことはこのことに尽きると思う。そしてその意味を考えろ、と言ってくれている。本企画では【読解・ミンツバーグ】と称して、この重厚な本を読みとくことで、あたしのようなMBA被害者を生まないように…ちょっとでも勘違いを正せたらと思って自分のために書いていく。