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C&C/MMFの系譜に連なるゲーム制作の力の源 | ゲヲログ2.0

C&C/MMFの系譜に連なるゲーム制作の力の源

俺もクリックチームのゲーム制作ツールは使ったことがある。MMFとかその前身であるC&Cは素晴らしく画期的で、ゲーマにゲームを自作するという明確な目的を持ち込んだオリジナリティあふれるツールだ。確かに3D描画機能は弱いが、それだけで判断しちゃいかん(横井軍平の名言「枯れた技術の水平思考」を思い出せ)。ゲームはなにも3Dだけではないし、クリエイトする気概は3Dだけでは絶対に語れない。俺はUBEpenerの運営する、C&C技術掲示板でずいぶんとお世話になったことがある。当時掲示板を利用していた彼らはフランス生まれのクリエイトツールで世界最先端のゲームを日本で作ってきた実績がある。

UBEpenerことペナーはC&Cの外部ライブラリを用いて、新しいネットワークゲームを作ろうとしていたし、これはまさに世界で最先端のいくゲーム制作の理論だった。マジモンでゲームのニッチな作り方としてはオリジナリティがあって、学位論文にもふさわしいぐらい研究内容として結実するものだった。今ペナーはテラリアなどのMODを作っているが、このころの経験がなければ、今のMOD制作へのつぶし応用の利きはありえないはずだ。創作は意味合いを通じて、繋がり、技術として身を結ぶ。しかもそれは純粋に楽しみたいという気持ちでもってして語られる自由なフリーソフト運動としての役割でもってして…である。(奇遇なことにほぼ時同じくして工学院大学のβ-Yak-38がMORPGファンタズマルアイランドを独力で作り、学位論文にしている―これはROの源泉になったといわれるゲームだ)

今でもC&C、その脈絡は息づいている。海外での第一人者がkonjak.orgJoakim Sandbergだったし、また国内ではひもじ村ウータだった。前者は傑作的2Dアクションでギミックやアイデアに豊富な「Noitu Love2」や「Iconoclasts」を作ってきたし、また、ウータもそれに劣らずにコンスタントにMMFの系譜に属するエンジン(Clickteam Fusionとか)で傑作ゲームを多く作ってきた(当人は事情があって匿名でゲームを作ったときもある―匿名時、インディーメーカteam ladybugの主要音楽メンバーが主催するコンテストに出展経験がある)。

今Steamで邦語版まで配信中の「Iconoclasts」を買えば、新時代のC&Cの応用技術が垣間見られるし、こういったツール経由でも世界に通用するクリエイターになれる、ゲームを作ることで生計を立てることが夢ではない時代になったんだ。無論、一人でゲームをつくるということはかなり難しいこと。音楽は特定ライセンス元でフリー素材を使えてもグラフィックは自前で用意しなければいけないし、レベルデザインから変数調節まで何から何までひとりでやらねばならない。だが、そのポテンシャルを保持してきたのがこのツールであることもまた事実。

よく小学校でゲームを作るクリエイターになりたいという夢を書く人物は多いが、それ以前に様々なゲームへの接し方があるということは認めなければならない。我々がゲームを作るということは、ある種の”悟り”が必要であって、それはゲームジャーナリスト奥谷のような人物に言わせてみても同じだ。ほぼ独学ですべてを乗り越える勇気が必要なんだ。ゲームを作る敷居は確実に低くなっている。一発当てれば、クリプトオブザネクロダンサーやドンスタあるいは大企業のゲームを軒並み抑えてトップをとるイサックみたいな簡単なゲーム哲学でも十分儲けられる夢がある。

そういう意味では、ペナーやJoakim、ウータに学ぶべきことは大きい。それは現状数千円を小遣いからひねり出しただけで環境が整って、創作意欲が沸き、それだけでごり押ししてゲームを自分で作ろうとする気概がなければ、ゲームクリエイターへの夢はなくなる一方だということである。

今作れなければ、一生作れない…クリエイターとしての厳しい現実と隣り合わせの夢を、彼らは今もまだ語り続けている。