「MOON.」という原点
はじめにご存じない方についてお伝えすると、KEY系泣きゲーの原点にして頂点とされる最高にコアでマッドネスなゲームがあります。タクティクスブランド下でのゲームです。それが奇作とされることも多い「MOON.」です。ということで、今回は有名どころの「ONE」リメイク(2023年冬発売)が決まった今、「MOON.」のリメイクはありえるのか?ということをチョー簡単に、馬鹿が馬鹿らしく論じてみたいと思います。
「MOON.」はどういうゲームだったか?
これね、一言で言うとめっちゃやばいゲームなんすよ。というのも世間が新興宗教で騒いでる現在進行形で(某新興宗教が注目されてた過去進行形でも)すっごくやばいゲームなんですよ。ストーリーのバックグラウンドテーマがまさにその新興宗教というものになってて、鬼畜系のやばめのゲームなんすよ。だから今リメイクが出来るかっていうと微妙なラインだと思います。唯一の救いは、新興宗教が実はコアなテーマにはなっておらず、あくまで物語の表面に浮き出る程度の設定に留まっているところか。それでも鬼畜系の人間の醜悪な部分を描いている…という点では現代の世の中にこのゲームを放り投げることはチョー危険と言えないこともない。だから微妙なラインです。
当時のスタッフは?
ちなみに当時のスタッフを振り返ってみましょう。以下はWikipediaからの引用…
- 製作総指揮:YET11
- 企画:麻枝准
- 脚本:麻枝准、久弥直樹
- 原画:樋上いたる
- グラフィック:みらくる☆みきぽん、しのり〜
- 音楽:折戸伸治(がんま、がんまん)、YET11(吉沢務)、いしさん、前田純(麻枝准)
もう一つの救いといえば、家族の大切さとか家族愛とかいうものを残酷さと表裏一体で描いた点でしょうか。んだから、リメイクはひっじょうに微妙なライン、であるわけです。ちなみに、人間の本質的な愛の部分を描いたきつめのストーリーと同じくして、音楽が高く評価されている点は有名(例えば、「音づれない」の中の人で天才ギタリストとしてネット上で著名なKarimono氏も「鹿沼葉子」という原曲のアレンジ曲を二次創作CDで入れてるぐらい)。YET11氏は諸事情あって、この作品の後、KEY本流とは袂を分かち今に至るまで共存していることもファンの間では有名っす。この面を解説しているKEY系の同人の歴史評論本は多いはずです。「MOON.」は、まさにKEYのホンマの原点・最強の布陣で作られたゲームだったわけだよね。それはペイントで作られたトレイラーが未だに一流であることが証明している。
ではリメイクはあるのか?
これはね、電ファミニコゲーマーも言っているけど、一回エイプリルフールネタでいろいろと騒がれたことがあるんですよね。KEY側のかたがいろいろといじったことがあるw。制作当時と同じく、今でこそタブーを作らず、こういったゲームのリメイクをしてほしいという声があることにはある(冒頭の仮トレイラーの※にあるようにね☆)。でもね、これぶっちゃけ残酷なゲームですから、リメイクして推奨年齢規制通るかっていうとこれまた微妙なラインだと思う。つかこれリメイクして推奨年齢通らそうとすると、元々のゲーム性がかなり失われるのでは?という懸念がある。というのもたしかに本質的には人間愛を描いているものの鬼畜系のゲームですから、そこらの表現がもう…アレなわけです…
結論
ゲーム自体が時代に抗った作品であるが故、そうとうきつい状況に置かれてるIPであるわけね。今、残酷なゲームとかには悪影響があるんでないか?というゲームに対する世間的な評価が少なからずある中で、リメイクできるか?また、現代版にしてリメイクして果たして意味があるか?というと、本当に(最初から言ってるけどw)微妙なラインです。これが最初から変わっていませんが、結論ですw
※個人的にはADV史上最高傑作とされる「YU-NO」やカルトアニメとして国内外で評価の高い「serial experiments lain」と並んで、この年代を代表する奇作のうちの一つだと思うっす。