【連載:ローグライト探訪記】唯一無二の雰囲気とシステムを持つ謎FPS「SULFUR」~デモ版レビュー | ゲヲログ2.0

【連載:ローグライト探訪記】唯一無二の雰囲気とシステムを持つ謎FPS「SULFUR」~デモ版レビュー



始めて小一時間で分かった…コイツは神ゲーだと。

「とある彷徨い人による戯言」より.

中毒性の高い謎深まるシングルFPS

FPSをやっていて、これすげえなって思うゲームは本当に珍しくなったよな。かたやBFかたやCoD…ぶっちゃけもう飽きたんだよ。あたしも友人とつい先日話したけど、『オンラインFPSって同じようなの多くね?』ってさ。最近じゃシングルFPSのほうが強いやん?その彗星となる今季AAAタイトルが間違いなく「S.T.A.L.K.E.R.Ⅱ」。でもね、この「SULFUR」のデモ版に出会って、マジで刮目したよ。突然ですが、その気持ちを川柳にしてみた。

『デモ版で・刮目できる・FPS』

このFPSすげえんだよ、とにかくすげえんだよ。やってみてほしいんだよ、ガチで。というのもね、レビューするっていうことが、あんまできないFPSなんだよね、極端に言うと。まず雰囲気が最高。そのあたりをまず解説するけど…ストーリーがあんまりない。システムも説明に至ってはあんまりない。何言ってんだコイツって思ったっしょ?つまり、FPSってのはシングルである限り、すべてを詳細に描く必要がないだけど、その中でもほとんど『やって覚えろこのバカヤロー』っていう雰囲気のゲームなんよ。チュートリアルとかがないのだよ( ゚∀゚)アハハ。既につべでデモ版のプレイ動画を上げてるやつが多くいるけど、そのうちだれもがこのFPSの勘所について知ってわかったうえで絶賛してるんだよね。

抽象的なストーリー

ストーリーとしてはね、なんかどっかの神父さんがなんちゃらの罪がなんちゃらっていう感じで、いっきなりダンジョンに放り出されんのよ。話の筋としてはこれだけ。すべてを描くことなく、雰囲気で押せ押せって設計。だがそこが良い。小気味の悪いグラフィックスで平坦に描かれていて、それでいて哲学的な魅力がある。実存は本質に先だつッ!じゃあシステムはどうなのか?ここはなんだかんだ言ってちょっと長くなる…

ローグライトでなくローグライクに近いシステム

まずね、ライフ制のローグライク。ローグライト要素はあんまりないようなんだよな。やり切り型のローグライクっていう感じで、金庫にいくつかアイテムとか金を預けておける、シレンみたいな保存法があるね。んでショップとかがある。ここでは武器強化とか魔法エンチャントできるバフのアイテムを主に売ってる。スコープとかレーザポインタとか。魔法エンチャントってのはね、節弾の強化とか、弾一発一発に対する強化とかができる不思議なバフシステム。意欲的にローグライクに近めにしてて、金策もけっこうムズイ。

『とりあえず・やって覚えろ・バカヤロー

この辺りは、『やって覚えろこのバカヤロー』(二回目)っていう雰囲気になってて、ストーリ―面でも同じようにシステム面でも丁寧なガイドとか説明ってのはないんだよね。陰鬱だがどこかユーモアさもあるゲームデザインで彩られていて、興味深い深みを持つゲーム。そこらが摩訶不思議さに拍車をかけていて、小気味悪いストーリーの筋とも重なる。ほんっとにこの辺りは、面白いデザインのゲームだと思うぜ。

SULFUR・その高難易度性

あと、Steamストアページにどう書かれているかは知らんけど、このゲームな、高難易度なんだよな。例えば弓のモンスターが序盤から出てくるんだけど、こいつの一発一発が痛いこと痛いこと。もう4発真正面から被弾したら、それだけで死亡。ハイ、最初からやり直しってんだ。近接攻撃系の敵もいて、こいつらも弱くない。かなり難しいね。そのため回避がキーワードになっていると思っていい。てかすべての面で回避要素が常に付きまとう。そこらの絶妙なバランスがこのゲームを神ゲーにしてると思う。抽象的な描き方で、最大限の戦略性をもたらす…これがすべてだと思うね。

厳しく求められる弾薬の管理

また、特筆すべき点があるとすれば、弾のリソース管理が厳しく設けられていて、無駄弾ばかり撃っていると、すぐに弾切れするっていうところ。弾丸切れると、困ったことになる。節弾していって、その管理面でギリギリのとこを押さえる必要があるんだな。もちろん相手倒せばアイテムドロップはするで。でもな、そんなに余裕はない。うまく作られていて、弾切れると敵の弾丸ドロップ率も上がるけど、使いまくっていいっていう雰囲気はまったくない。MG手に入れて乱射してると、すぐに詰む。囲まれて詰む。ローグライクFPSならではの緊張感があるよね。

THE・マーチャンダイジング

あとは、道中で宝箱とかアイテムを手に入れられるってのも、特筆しておくべきとこだな。宝箱からは自分が装備したりバックパックに入れたりできるアイテムが多種多様に入手できる。もうね、ここら、アイテムの整理整頓、っていうレベルじゃないんだよね。マジでプレイ生存性に直結するアイテムの取捨選択が求められて、プレイしてて、こりゃもうバックパック系のゲームでもあるんじゃね?とすら思う。道中ではショップもあるからそこらでいろいろと買ったり売ったりと、マネジメント面での強みが求められる。これがTHE・マーチャンダイジングっていう感触だな。毒キノコの売買もできるよ!


勢いで書いたけど、基本的に放り出されて全部自分で解決しろっていうゲーム。謎ゲー兼神ゲー。