順大STEAM教育研究会~医療とボードゲームを統合したリベラルアーツ・ワークショップを今年も開催 | ゲヲログ2.0

順大STEAM教育研究会~医療とボードゲームを統合したリベラルアーツ・ワークショップを今年も開催



MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会(代表者:同大学人体病理病態学講座教授小倉加奈子)が中心となって今月から医学に興味のある高校生らを対象にワークショップを開催する. ワークショップの名称は「医学をみんなでゲームする」というもの. 本記事が執筆されている時点で既に参加申込は終了しているが文理の垣根を超えた編成を持つ大学のれっきとした医学部講座が主宰するゲーミフィケーションの催しということで今からでも注目に値するものだと思う. 小倉教授の専門は純粋な病理学だが並行してSTEAMも研究対象になっている. いくつかの一般向け著書もお持ちである.

同研究会は同大学のアドミッションセンターに2022年発足し2023年に同ワークショップを開始した経緯がある. 昨年に引き続き今年も7月末あたりに開催され実際に現場に行けない高校生らもZoomやメーリングリストを駆使してワークショップに参加できるという. 一般財団法人三菱みらい育成財団の助成対象であり参加費用は完全に無料. ただ実際に何をやるのか?疑問に思ったかたも多いでしょう. なんと医学を実地見地的な立場から解釈したボードゲームを作るというのだ. リベラルアーティスティックな試みであり純粋な医学専門領域でない代わりに社会文化的な側面から医学を再度見直す観点から行われるプロジェクト. でも一体どんなゲーム作るんですか?

これについては同ワークショップの公式ホームページ上のひとつのページが参考になる. ページ上ではオセロとカードゲームとを掛け合わせながら手術室の状況を学べるボードゲーム. トランプによるゲームとして有名な神経衰弱を医療職の紹介と掛け合わせたボードゲーム. 同じようにババ抜きとストレス対処をテーマに取ったボードゲーム. 医学のテスト対策をテーマに取ったカード式のボードゲーム. 睡眠時無呼吸症候群を学べるすごろく式ボードゲーム. イラスト式のダイエット系ボードゲーム. これらが2023年の開催時に開発され実際楽しみながら運用されているのが見て取れる. 作られているゲームらはどれもシンプルで深く込み入ったゲーム開発の知識はまったく必要とされないことが拝察される.

医療系の名門大学がその役割を担ううえで社会との連携を研究対象にしデータを取ることが求められていることから始まったプロジェクト式のワークショップなんじゃあないかな? 公式ホームページではこうした文理の垣根を取っ払った編集工学という学問領域を標榜していてそのページコンテンツも多種多様な彩にあふれている. 一般的な医療書籍の紹介のコンテンツがあるほか専門性のある医療職種の紹介とかが誰もが簡単に理解できるようなアレンジの下で公開されている. いわば総合医療だとか教育医療といった医療分野の拡張性を端的に表しているプロジェクトがこのワークショップなんだろね!