なぜ東欧はゲーム領域も含めIT産業が盛んなのか?ジェトロsourceを参考に我流でまとめてみた | ゲヲログ2.0

なぜ東欧はゲーム領域も含めIT産業が盛んなのか?ジェトロsourceを参考に我流でまとめてみた



疑問

あたし自身、長いこと疑問だった。『なぜ東欧はゲーム領域も含めIT産業が盛んなのか?』今回はこれをお題にしてちょっと調べてみた。まずは事例の紹介から。

事例

まず、一番有名なのが「Skype」だろうな。これは言わずと知れたエストニア産のP2Pチャットソフト。MSに買われて、その後結局「Discord」やら「Zoom」やら「Teams」やらなんやらに潰されたけど、システム的には画期的だった。P2Pの応用事例として有名だったんだよな。一時期はゲームチャットソフトとしても使われてた時期がある。

ゲーム分野だと、ポーランドのCD Projekt。ここは「ウィッチャー」シリーズで有名。ナンバリングタイトル1・2・3と出て、リメイクも進むっていう話。長いこと開発とアプデを繰り返して、賛否両論を覆した「サイバーパンク2077」も有名だよね。後者はNetflixでアニメ化もされました。ゲーム配信プラットフォームで有名な「GOG.com」の運営元でもあるよね。

チェコのBohemia Interactive Studioも目が離せない。ここはIT/ゲームの力を使って、戦争戦略系のシミュレーターも作ってる。一般的には「Operation Flashpoint」シリーズとか「Arma」シリーズで有名だけど、軍向けにガチの戦略シミュレーター「Virtual Battlespace」も供給してるから、ゲーム産業と軍産複合という点で極めて先駆的な企業だともいえる。

ほかにもある。今戦争で苦難な状態にあるけど、ウクライナのGSC Game World「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズで有名。カルト的な人気を誇るモダンホラーFPSだよな。先日、PSシリーズに前日譚の三部作が配信されて、ナンバリング2が9月には出る予定。

なぜここまで東欧ではゲーム産業/IT産業が有名なのか?これについてはジェトロのsourceをたどればよくわかる。以下、これらの四か国の事例がどう説明されているかを要約する。

説明

まず、エストニアの事例。記事では、まず、”スタートアップを輩出する風土”としている。続けて、”スタートアップに対するバックアップ体制”としている。

次に、ポーランドの事例。こちらは、”IT人材のコストパフォーマンスと地理的な利便性”としている。立地が良くて東欧と欧州のハブになってくれる地政学的なメリットがあるっていうことらしい。これは4Gamerの奥谷の取材でも明らかになっている。

さらに、チェコの事例。これは”人材”がキーワードになってる。確保しやすくて賃金安くて質の高い技術者がいるとのこと。大学教育が盛んで、優秀なIT技術者が多くいる。

最後に、ウクライナの事例。こっちもやはり”人材”がキーワードだね。”IT市場”としても成長し続けている点が指摘されている。

結論

総じて刮目すべきところってのはない。あくまで、地政学的なメリット・そして人材・IT業を養う風土・バックアップ体制・DXに積極的な政府の体制…とまぁ、こんなところが、ジェトロのサイトで明らかになっているね。でもね、良いことばっかじゃないんだ。

例えば、ロシアと同盟国のベラルーシ。ここにも有名なゲーム会社がかつてあった。「World of Tanks」で有名なWargamingだよね。ただ、最近はロシア・ウクライナ情勢が厳しさを増してて、ミンスクからキプロスに本社を移した後、ロシア・ベラルーシでの利益事業はきっぱりとやめると表明したんだよな。

ジェトロのサイトではいいところばかりを取り上げているけど、ハブということは地政学的メリットでもあるが、同時に、地政学的なリスクでもある、ということを見逃しているように思うんだ。

物事は良い面もあれば、それが悪い面にもなりうる。良いところばかりを取り上げているサイトが多い中で、悪いところを堅実に指摘した解説となるsourceはあまりないように感じたね。