今更だけどファミ通のSteam Deckを特集した号を読んでみたわ | ゲヲログ2.0

今更だけどファミ通のSteam Deckを特集した号を読んでみたわ



Amazon.co.jp: 週刊ファミ通 2022年9月15日号 No.1761 : 週刊ファミ通編集部: 本

今更ファミ通のSteam Deckを特集した号を読んでみた結果…結論から言うと、意外にもよく書けています。『ファミ通は微妙』とする声が高いことはWikipediaのファミ通による不祥事に関する記述を引用し論拠にするまでもなく有名ですが、まずはそこから解説してみます。なぜ『ファミ通は微妙』なのか?


ゲームレビューの品質が悪い

昔から言われていますが、特にファミ通は商業誌です。だから、商業誌ゆえに広告が付いていないと成り立ちません。ファミ通はゲーム雑誌ですから、当然広告はゲーム関連の広告が主になります。ゲムスパがSONYと深い関係にある、とされることも多いことがファミ通にも至極当然のように言われるわけです。仕方がないとはいえ、レビューが出来る限り中立であるべき、ということは目指すべき目標なわけです。~外因や個人的な感想が出すぎると客観性が失われる~ファミ通のレビューについてもこのことが言える。メディアとして当然の宿命とはいえども、やはり批判されがちな点です。メタスコアでさえそういわれるように、閉鎖的なレビュー環境も批判の的です。

掲載コンテンツが常套的になっている

コンテンツが長く続けば続くほど、つまらなくなっていく…これもファミ通に限らず雑誌メディアの批判される大きな要因ですよね。言うまでもなくファミ通はゲーム雑誌の代表格、とされてきた歴史がある。なんだかんだ言って未だに雑誌では代表格だと思います(というかそもそも生き残っている紙のゲーム雑誌自体少ないわけですが…)。掲載されているコンテンツに新鮮味がない。まぁゲーム自体、ゲーマが大人になっていけばマンネリしてくるものなんですが、それは差し置いても、ファミ通自体やはりマンネリ化しているっていうことですね。

オンライン系メディアの台頭

4亀・ゲムスパ・AUTOMATONなど多くのオンラインメディアがある中で、ファミ通はそれに後れを取っている。これだけYouTubeが強くなっている今だからこそ、多様化するゲーマの発信チャンネルの環境に適合してきた、とはいいがたいですよね。そうした発展したインターネット環境が台頭してきた中で、オンライン系のゲームメディアが昔よりも強くなっている(それでも経営はヤバそうですがw)。ファミ通はオンラインシフトにまぁまぁ成功しただけであって、多様化しているネット環境に秀でたゲーマの価値観の穴場にはガッツリと入っていけていない。残念なことですがまぁ時代の要請、というものでしょうか。


そういう中でファミ通にSteam Deckの記事が載っています。2022年9月15日の号ですが、今見てもこれが意外とよく書けているんですね。じゃあどこが優れていてどこがよく書けている、と感じたのか?ちょっと見てましょう。


スペック編と操作編

CPU・GPUについてしっかり記載があるし、ストレージ・オーディオに関してもしっかり記載されてる。Valveのモックアップ技術とかについてもシアトルの本社の様子の写真を介して掲載している。そのため、操作系についても詳細な取材に基づいた記述がある。事実を事実としてしっかりと伝える良い内容です。

Valveがこれまで手掛けてきたSteamコントローラやSteam Machine、Steam Indexといったハードウェアから得た知見も、素材の選定や生産工程といったサプライチェーンを始め、各部の設計や技術、ソフトウェアにいたるまで、様々な部分に注ぎ込まれている。

ページ31より

ソフトウェア編

このページなんかは、強点についても記載があるほか、弱点についてもしっかりと記載があります。例えば、最適化されたSteamOSの実装・ライブラリへのアクセスの容易さなどの優れている点に限らず、携帯専用機ゆえのパフォーマンスの限界点(例えば、レートが60fpsまでが限界である点とか)に踏み込んで記載しています。さらにSteam Deckが持っている斬新な機能まで記載があります。非Steamソフトウェアも走らせられる・Windowsとのデュアルブートも可能になる…まぁ事実ValveがどこまでSteam Deckとともに行くかっていうのはわかりませんが、事前情報のような形でこうしたSteam Deckゆえの斬新な点も押さえています。

特別インタビュー

ここもよく書けています。Valveや関連する現場技術者へのインタビューということで、けっこう閉鎖的なValveという会社環境に対して、深く踏み込んでインタビューが出来ています。ひょっとすると紙の雑誌だからこそここまでできるのかもしれません。例えば、Valveの技術者であるピエールさんに関しては、販売に関するKOMODOとの関係性や円安に基づく価格設定の問題について踏み込んで聞いている。ローディング環境の素晴らしさやストレージ不足の解決策についてまでもインタビューしてます。

Steam Deckに関する読者アンケート

統計情報ですね。PC/Steamユーザが強く関心を持っていることを調べ上げているほか、Steam Deckのいいと思うところ・悪いと思うところを両面記載しています。プレイしたいゲームタイトル・価格に関してどう思うか・そもそも購入したいと思うか?という点にまで踏み込んでアンケートを取っている。それなり信用性があると思います。結論として『Steam Deckは、果たして”買い”か?』というところまで、PC環境との簡単な比較の論を立てていて短文ながら、面白い考察になっていると思います。


というわけで、ファミ通、このSteam Deck特集は相当よく書けています。むしろ、オンラインのメディアでもここまでは書いてねえだろっていうところまで踏み込んで書けています。こういう新鮮な記事を多く持ち込めば紙のファミ通ももっと良くなるんでしょうけど、時代性からしてそれは望めないかなぁ…とは思いますけどね☆

(゚⊿゚)<この号の他の記事はほとんど読んでいないからよく知らね。

※書影は上述のAmazonリンクより引用させていただきました.