この本メルカリで随分と前に手に入れたんすけど、今更読み返してて、思ったことがあるんですよ。『マジで相当の良書なんじゃね?』『あれ?DJテクノウチってこんな頭良い方だっけ?』っていう。というのも実地的な文章でしっかりと論が書かれてて、地味なんだけど、具体的に平易に本質を突いているっていう…複数人で書いているとは言えども、驚くぐらいすごく実用的な本なんすよ。だからこそ、ボカロPや独立系の音楽関係者・また、ゲーム音楽やアニメ音楽に関わる人は特に、そうでない広義の音響担当者にも読んでもらいたいぐらい、実利的な本にもなっている。音楽評論としても間違いなく一流だと思うんですよ。
【あなたが買っているのは音楽か?パッケージか?】
…と帯にありますね。さらにこうも書かれています。
パッケージで楽しむ音楽は外道なのか/東方アレンジは何故増えるのか/人は初音ミクの何を買っているのか/同人テクノは偽テクノなのか/何故コミケでは試聴がなくても音楽CDが売れるのか/ニコニコ動画は新しいダンスフロアなのか/ハードコアテクノはどうしてアニメジャケばかりなのか/クラブイベントとオタクイベントでは踊り方がどう違うのか/ジャンル議論に意味は無いのか/オリジナリティとは何なのか/二次創作とは消費活動なのか/音楽の歴史に客観性はあるのか/ゲーム音楽の魅力とは何か/何故デPは初音ミクに歌わせるのか/J-COREとは何か
これもはや驚嘆する内容でしょwwwっていうわけ。単一の書・しかもそれほど厚くない書なのに、ここまで掘り下げてひとつひとつを具体的に詳しく書いているっていうのは率直に言ってすごいです。これがあたしなりの第一印象。☝で紹介したように帯に書かれている広範なカバーリングで音楽音響領域の総合的解説書といえる。また消費論的な感覚も備えている、近年稀にみる隠れた傑書だと思います。
というわけで、各章についてどこがいいのか?どう思ったのか?あるいはどこが悪いのか・批判できるのか?ということを踏まえここで逐次レビューしていきたいと思います。ちょっと長くなる予定ですが、ガッツリ書いていきます!