ゼロからわかる「ホグワーツ・レガシー」不買運動 | ゲヲログ2.0

ゼロからわかる「ホグワーツ・レガシー」不買運動



映画ハリーポッターの原作小説を書いているJ・K・ローリングが『トランスジェンダー批判をした』として”集中砲火”を浴びている。元来、ローリングは古くから人権の擁護者として知られており、慈善活動家としても積極的に活躍してきた。特に彼女自身が中心となって設立されたNPOでの活動は、高く評価され国際的な表彰も受けた。その表彰がロバート・F・ケネディ人権財団から送られた「希望のさざ波賞」である。

上述のツイートの通り、ローリングと同時に受賞した受賞者には日本でも知名度の高いナンシー・ペロシなどが列挙されている。だが、受賞後、ローリングを巡るポジティブなイメージは一転する。次のツイートが問題の発端である(BBCの報道によればこれ以前からその手の言動があったという)。

この投稿は、直訳してみてもわかる通り”月経のある人々”という皮肉な表現を使っている。遠回しにトランスジェンダーの人々を批判した、ともとれる言動をとったのだ。このツイートによりローリングは『トランスジェンダーを批判したトランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪者)だ』と一部の人々から受け止められてしまったわけだ。このことは、ロバート・F・ケネディ人権財団の公式ウェブページからも批判された。”指摘”に対してローリングも黙ってはいない。自身のウェブページで反論を展開・賞を返却することを表明し、『自分はトランスフォビアではない』と弁明した。また、次のようなツイートも投稿している。

曰くところによると『性がなければ同性愛もまたない』『性がなければ女性という性もまたない』『真実を語ることはヘイトにはあたらない』と反論しているようだ。


今回、我々がゲーマとして直接問題提起するのは彼女の言動ではない。多くのゲーマがそう思うように、彼女の作ったコンテンツにまで批判の矛先が及んでいることだろう。ローリングの著作を原作とした、ゲーム「ホグワーツ・レガシー」が批判の槍玉に挙がったのだ。つまり『ローリングに金銭をもたらすあらゆる行動はトランスフォビアへの擁護に当たる』という意見に基づく批判である。知っての通り、ローリングは世界で6億部売れた小説「ハリーポッター」シリーズだけではなく、その世界観を元とした高評価ゲーム「ホグワーツ・レガシー」にある程度関わっていることがそのゲーム公式ウェブページで示唆されている

このことから『トランスフォビアであるローリングの関わるゲームを買うことはトランスフォビア意見を擁護することとなる』という論理で、ゲーム自体の購入を買うなとする運動、つまり不買運動が起こっている、というのだ(経緯はSky Newsに詳しい)。もとよりそれを配信し、プレイしていることを表明すること自体が悪いことだとする意見もあるようで、日本のバイリンガルVTuberも批判の槍玉に挙がったことがある。映画「ハリーポッター」の主演で広く国内外で知られるダニエル・ラドクリフは『トランスジェンダーの女性は女性だ』とローリングの発言を戒め、『作品とあなたとの間とに生まれた絆に嘘偽りはない』と、米国の性的少数者の自殺をなくす運動で知られるNPO団体The Trevor Projectのウェブページで意見を表明している

なお、ローリングは映画「ファンタスティック・ビースト」にも関わっているため、問題の発端と経緯を考えるにあたり、これらのローリング関連作品や配信サービスなどにも飛び火する恐れはある。