Steamで販売されるゲームタイトルのロイヤリティは何%が妥当か?【調査】 | ゲヲログ2.0

Steamで販売されるゲームタイトルのロイヤリティは何%が妥当か?【調査】



Statistic: What do you think is a justifiable amount of your game’s revenue for digital storefronts (e.g. Steam, Epic Games Store, App Store) to take? | Statista
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この調査はGCDの参加者4000件について行われたものであり、上記グラフはその結果の割合比率をまとめたものだ。この種の調査は毎年開催されるGCDの参加者について、例年行われており、2019年の統計もGamesIndustry.bizにてまとめられている(GamesIndustry.biz)。まず、2021年の調査結果をみて、その後2019年GamesIndustry.bizが提示している同様なものと比較してみよう。

ロイヤリティとは簡単に言えば、実際のゲーム開発者と配信プラットフォームの運営元との間で決める、利益分配のルールである。なお、Steamではこれは慣例的に30%となっており、ライバルであるEpic Games Storeでは12%となっていると言われている(GamesIndustry.biz)。つまり、Steamを運営するValveはゲームの収益の30%をマージンとして取り、Epic Games Storeを運営するEpic Gamesはゲームの収益の12%を受け取るわけだ。

グラフを見ると多くのゲーム開発者はValveの定める30%のロイヤリティに満足しておらず、比率でみるとその割合は3%にしかすぎない。現状のSteamのロイヤリティルールに満足してるゲーム開発者は3%しかいないのである。そして多くがロイヤリティ10%~15%の比率が妥当と考えており、合計すると全体の43%にもなる。ロイヤリティは5%が妥当だというゲーム開発者が続いて11%、5%より低いロイヤリティを望むゲーム開発者も8%もいる。しかしながら20%のロイヤリティが妥当とするゲーム開発者はそれ以上、9%いる。これら以上の比率を望むゲーム開発者の割合は合計しても8%しかおらず、多くのゲーム開発者はGCDでの調査によれば、現状のSteamのロイヤリティに不満を抱いていることがわかる。

ただし、事実上回答を避けたものも多く、22%が答えを明確にしていない。だが、2019年の同調査ではロイヤリティルール30%を妥当と思っているのは6%のみであると結果は出ており、2021年の3%と比べると、より厳しい判断がゲーム開発者からSteamを運営するValveに下っていたと過去形で結論できる。調査によればここ数年においては若干穏やかになった、といったところか。

たしかに、ゲーム開発者は物理的なリテイラーを通さず、利益をより多く確保できるようになった。寡占プラットフォームSteamが猛威を維持する以上、利便性の観点から言ってもユーザはその恩恵を受けている。アレクサンダー・セロピアンも指摘するように物理メディアの時代から確実にゲーム流通の流れは変わった(ゲヲログ2.0)。だが、より根本的な問題としての中間マージンの議題は依然として変わっておらずHotな話題になり続けている、そう言えるかもしれない。