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中村修二先生が米国市民権を取ったたった一つの理由【日本が優れていないわけではないという”条件”】

ノーベル賞の中村修二氏、「アメリカの市民権」を取った理由を語る(withnews) これ、大学院時代、うちらの先生も良く言ってましたね。米国では、軍がすごく力を持っていて、軍のリクルーターが有望な研究している大学に💰を落としていってくれるらしいです。ただし、機密を守ってやれとのこと(ついでに言っておくと、米国ではVCの力はあまり強くなくむしろ弱いらしいです)。事実、筑波大学山海教授(サイバーダイン社のトップ)や千葉大学野波教授のもとにもペンタゴンから、技術供与してくれないかってリクルート来たんですよね。日本は技術を平和利用しなければならないという鉄則があるので、ロボット/ドローンの権威としてそれぞれ知られる山海先生も野波先生も軍事支援を双方断ったのとことです。日本はそれだけロボット技術が優れているってことの証拠ですよね。 てか、よく米国では博士号持ちは優遇されるとか言ってますけど、研究室のボスがカネを集めなければいけないってのは日本とは変わらないんですよ...。先日行ってきた地元の私立の大学院でも教授は言ってました。曰く『我々は経営者と変わらないんですよ』とのこと。研究室...
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『水素社会がやってくる』は重要なオピニオンか?

高校時代、化学の教員が盛んに『水素社会がやってくる』と言っていた。本当だろうか? まず、水素は確かにカーボンニュートラルを考えるうえで未来のエネルギーであることに間違いない。だが、水素の生成には、現状化石燃料が必要だ。再エネや新規技術の開発を小手にする手法はあることにはあるが、採算ベースであまり有効な方法ではない。今主流なのはあくまで既存の化石燃料を改質する方法および既存の化石燃料ベースのシステムから出るCO2を活用する方法なのだ。例えば、それはCarbon dioxide Capture and Storage/Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageなどと呼ばれている。おおざっぱに言うと排出されたCO2を貯めて活用するという手法だ。このようにまず一次的に燃料源として水素には問題がある。そのため、火力発電所の割合は鈍化さえすれど、手法としてすぐに無くなるわけではない。現に水素エネルギー源として主流に使われているのだ。だから、元をたどれば、火力発電所をカーボンニュートラルにすることが求められるわけだ。 次、二次...
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「持続可能な開発(SD)」はホンマに可能なのか?

EVは世間一般ではあたかも環境問題の解決策、というように思われている。仮にEVが実用化され、かなり普及したとする。まず問題とされるのは、EVの電力源の問題だろう。EVの電力源が火力のままでも環境にとってはいままでよりも良いとする算出もあるが、トヨタの社長はカーボンニュートラルを実現するには原発が10器必要だ、と述べている(火力に換算すると20器必要だという)。火力発電でカーボンニュートラルを実現するのはかなり難しい(もっとも火力発電のエロエミッション化も進んでいるが)。このように、様々な技術革新がある、ということは理解できるし、いくつもの課題を克服するべくして多くの人が頑張ってくれてる。多くの派生した課題ある道に様々な解決策を提示・実現しなければならない、と言う意味で豊田社長は妥当なことを言っているように思う。そもそもEVの中核を為す磁性体モータにも希少金属(レアメタル)が使われている。このようにEV化はその電力源の問題・資源問題も含め、課題山積なわけである。本当に持続可能な開発が可能かどうか?という問題はかなりムズカシイ交絡している問題である。 むかしむかし、ある科学...
思索と学問

森茉莉~鴎外最愛の娘~

父の帽子 | 森 茉莉 | Amazon 森茉莉 (1903-1987)とは日本を代表する大文豪、森鴎外の長女である。なぜこのような当時として変わった名前(いわゆる「キラキラネーム」)がつけられたかというと、鴎外のドイツ留学経験が強く影響していると言われる(ついでに言っておくと、これは鴎外は帝大医学専科に年齢を偽って、事実上の飛び入学するなど、明治期特有のゆるーい文化が生きていた時代のことである)。 茉莉はぶっちゃけファザコンのダメ人間で、子供をそのまま大人にした性格、とまで言われ、家事はほぼ全くできず、鴎外がその人生の行く末を案じて、茉莉と帝大卒のエリートとの縁談をもちかけたほどであった。この縁談による結婚は茉莉が16歳のころだったという。結婚生活は案の定、長続きせず、茉莉と山田(その縁談相手の姓)はすぐに離縁となった。だが、これは茉莉の一面を見込んだに過ぎない、単純すぎる評論である。 例えば、茉莉は「家事はだめ」とは言っても、ある種の特殊な形であり、料理の腕前”だけ”は一流すぎるほど一流だった。また、鴎外の子孫は例外なく、ほぼ文学者や随筆家・実業家や医者となって...
思索と学問

一生を植物学に委ねたある男の生涯

牧野富太郎(1862-1957)とは独学で世界的な植物学の権威となった実在の人物である。 牧野は「雑草という名の草はない」という名言により広く知られ、この言葉は、「分類できない植物はこの世にひとつとして存在しない」という意味として、今日受け止められている。いわゆる”ムジナモ”の植物分類研究により、ロシアの学識者(当時最先端の植物学国家圏であった)に認められ、世界的な植物学権威となった、とされる。その他にも様々な植物分類を行い、新種の発見とその記録の面であらゆる他を寄せ付けない業績により名を馳せ、今日の日本の植物学において、また、世界の植物学において、必ず考慮しなければならないひとり、とされる偉大な人物である。 彼の筆致は筆の使い方・墨の使い方からなにからなにまでが機敏に富んでおり、極めて精密・正確である(筆致は馬の毛を使った筆によるものであり、当時、この先端分野において必須だが、極めて高価なものであった)。NHK放送資料館での牧野の人物紹介映像では、この牧野の筆致、現代の最先端の精密映像技術でもってしても、なかなか到達できないレベルであるとされている。「植物分類学の祖」と...
思索と学問

人生で大切なことは目に見えない…ある免疫学者夫妻の歩いてきた道

我々の歩いて来た道―ある免疫学者の回想 | 石坂 公成 | Amazon 石坂公成(1925-2018)とは日本の免疫学者。妻であり共同研究者であった照子との業績である、IgEというアレルギー物質の発見が、公成の主要なそれ(業績)とされる。晩年まで、哺乳類に存在する主要アレルギー物質IgEを発見した功績により、ノーベル賞候補と言われ続けた。周囲に「そろそろ、ノーベル賞を...」と言われるたびに、公成はこう答え盛大に笑ったという、「もう時効でしょう...!」と。 公成と照子の共同研究はユニークなものであった。患者の血清からIgEを発見するに至るまで、人体の免疫作用を確認するために、お互いの体を化学物質で浸した針で刺しあったというのである。ユーモア溢れる、優秀な共同研究者であった照子はこういってこの様子を度々振り返ったらしい。「(アレルギー研究においても、まるで蚊のように)刺しつ刺されつね」公成と照子はそうして”現代のキューリー夫妻”と呼ばれるに至った。 公成は教育者としても偉大な足跡を残している。研究を継承する後輩に、複数の研究手法を組み合わせ、何回も実験と失敗を繰り...
書評アニメ評

藤本タツキの漫画「ルックバック」とは何か?【考察兼評論】

「ルックバック」序論 ちょっと見てみたんだけど、これって天才の漫画ですね。特に「ルックバック」で顕著な傾向がありますけど、構造的な問いというものは呈するのが難しいところではある。であるのですが、難しい構造的なまとまりを軸にコマが簡潔に澄んでいる,,,とする評が良い筋を突いているのではないでしょうか?識者が曰くように『数コマで本質を描く』という点に尽きると思います。数回読み比べてみてみる価値はあるけど、長く読める漫画ではないな、というのが自分なりの意見です。またその必要もないように思います。 ※藤野タツキ同著「チェンソーマン」も上拙写に載っているので、機会があったら、いずれ比較してどういう作風の漫画家なのかを重層的に評論してみたいと思います(今回は「ルックバック」オンリー)。 エゴと理想とリーダーシップ 漫画「ルックバック」で描かれているのは藤野と京本の友情ですよね。特に序盤はその興成が描かれている。藤野は京本の漫画をみてエゴと理想を感じる。そしてその画力の差に藤野はまず感づき漫画に絶望する。ですが、実際会ってみた京本に漫画の本質を諭され、称賛されて、理...
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カーマックのMeta退社劇は事前調整折込済・想定の範囲内の報だ

とうとうカーマックがMetaを退社したことを認めた。国内メディアでもdoopeなどが報じており、俺自身当初より懸念していた事案が現実になった、ということになる。もとより、当のカーマックは業務の効率化・最適化のレベルでは世界最高峰の技術者・経営者なことに間違いない。偉大な業績についてはゲヲログ1.0を参照してほしいが、彼は彼自身の限られた時間の中で最大限の業績を積みたいと思っている点では、イーロン・マスクと同じはずだ。 そもそも、俺も純も、Meta(旧FB)はおそらくTwitter社同様に効率の悪い組織だろうなと常々思っていた。メタバースとは言葉躍るものの、そのための専用機器のOculusはなかなか手に取りにくい高価なハード。先端技術に詳しさを持つコアユーザ以外は手に出さないであろう、難しい舵取りの迫られるハードなんだ。そもそも、Oculus原機はパルマー・ラッキーというある種の変人が起点になって作られたハードウェアである。彼の動向は最近驚くほど報じられていないものの、彼自身、ドナルド・トランプの大統領就任の際に多額の寄付をしていたのは事実らしい。旧FBとしてもこれらのセ...
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『リジー』の歌

リジー・ベラスケスは新生児早老症様の一種のようなものを患っている(皮脂がまったく蓄積されない、という症状がある)。2015年、彼女の類症はタンパク質を発現するFibrillin 1遺伝子、その変異がアスプロシン欠乏につながることが原因だと判明した。この病名として「マルファノイド早老症性リポジストロフィー症候群」という名がつけられた。病気・疾患のみならず症候群としてとらえられるもの、だという。 彼女の論旨は明確である。「自分を決めるのは自分だ」幼少期からずっと続いていたよう、リジーは、いたずら投稿の動画でいじめられた経験がある。その中で一番痛烈なものが次のようなものだったと彼女はこのプレゼンの中で述懐する。 「あなたは醜い。お願いだから、この世から消えるため、拳銃で自殺して...」 だが、彼女は動画のコメント欄がこのような文言であふれる、その事実に向き合った。もちろん、彼女は泣きに泣きくれたが、両親はこの子を神から授かった責任をしっかり受け止め、この娘に向かってこう励ましたという(彼女の家系はローマカトリック系の信徒らしい)。 あなたが他...
思索と学問

不登校・高校中退・学部中退・院卒の俺の事例

かくいう、俺も高校中退・大学中退・大学院かろうじて卒業、とやってきたのですが,,,特段、困ったことはないです。むしろ、現在頑張れているかどうかということのほうが社会的評価ではずっと重要でした。これはケースバイケースであり、人によって解が異なるのですが(また、人によっては客観的かつ科学的根拠に基づいた施策を希求することが必須であるとするかたも多くいられるのでそれは当然なのですが,,,)与えられたタスクをどう解決するか?という問題だと思います。例えば、今会社では、組み合わせ最適化のような単純なタスクが割り当てられています。俺の事例ですがこれを例にとって、『不登校・高校中退=人生絶望ではない』という話を始めてみようと思います。 次ページ~学歴よりも重要なこと