【連載:ローグライト探訪記】「Cyberwar: Neon City」~EtGやNTに並ぶポテンシャルありけり

1/6にYouTube上でゲーム「Cyberwar: Neon City」(開発・パブリッシングともにCyber Monkey Studiosの手による)の新たな一面を紐解けるゲームプレイトレイラーが公開された。一息ついて今見てみると、このゲームがリリースするころには良く仕上がる可能性を随分とズッシリ感じさせられる出来になっている。もちろん、本作だって、先達として「Enter the Gungeon」に端を発するゲーム種に属するタイトルであることは明白だ。なぜ、そうなのか?なぜ、EtGは傑作であり続け、この手の見下ろし型ローグライトACTの市場を席巻してきたんだろうか?ちょっと考えてみよう。

まずその要因は、もともと「Enter the Gungeon」の完成度が高すぎた、という明確な理由付けにある。ガンジョンの発売以降、ガンジョンに酷似した同じようなタイトルはいくつも出ては消えていったが、それらはすべてにわたり、ガンジョンそのものを完成度の点で超えることが出来なかった。もとより、ガンジョンと同じデヴェロッパが作っている後継作ですら、ガンジョン元来の出来を超えることは叶わなかった。唯一違うのが、間違いなく傑作として名高い「Nuclear Throne」だろう。ではガンジョンの優れている点はどこだったのだろうか?そして「Nuclear Throne」がガンジョンに対してコントラストを印象付けられた理由はどこにあったのだろうか?

ガンジョンはゲームデザインがとにかく凄すぎた。単なる弾幕ゲーに寄ることなく、全体としてのシューターの精度・精錬さともに極めて高かった。大きめのヒットボックスとローリングや小技を使った敵弾回避のエッセンスに溢れ、グラフィカルな訴求力もあった。全体のレベルデザインにおいても、シームレスに各部屋をクリアしていく、単純ながら奥深いゲーム性を備えていた。何よりもボス戦はまるでFPSのAA級大作をプレイしているかのような緊迫感に溢れ、バランスの良さが他と比べてもとても際立って良かった。これが大概ガンジョンを傑作に押し上げている各要素だといえる。

それに対し「Nuclear Throne」は、グラフィカルな面で、ゆるキャラよろしくのゲル状ケモナー系デザインを上手く実装し、ガンジョンとは一味違うデザイン訴求力を持っていた。ゲーム内容もハクスラに近めでガンジョンと微妙な点で違うプレイスタイルを持ち合わせた稀有なタイトルだった。特にダンジョン構成が同じローグライト系でも、違う迷路型のプロシージャル生成アルゴリズムを採用しており、ガンジョンそのものとは一色違うプレイ要素を持っていた。これが、この手の2D見下ろし型ローグライトACTの傑作として、ガンジョンとの双璧をNTが構成した理由だろう。もちろん、細かき点で双方に似ている点がないとはいえないが、大まかに言うとまぁこのあたりが総評として妥当なところだ。

さて、では今回取り上げている「Cyberwar: Neon City」のゲームプレイトレイラーからどういった傾向が見受けられるだろうか?まず、SFサイバーパンクをグラフィカルなデザインに取り込んだ点。これが一番現時点で目に付く注目点だろう。このグラフィカルに目に付く点は、精巧に攻防のギミックを特徴づけることに、結果的につながっており、決して物まね事だけでは済まないオリジナルな戦闘要素に結実しそうな印象を持てる。さらに、いわゆる町システムのように休憩地点で多数のNPCと出会い、取引し、より多様な模様を繰り出そうとしている点には注目すべきだろう。これは、傑作であるガンジョンにもなかった点で、ガンジョン自体元来シームレスな戦闘に力を入れていたので、このような多数のNPCが登場する必要も、町システムもあまり必要としなかった。道中にガンマニアのオヤジのバー(ショップ)があるぐらいで、あとは軒並みアンロック要素は『一回死ぬごとにつく』程度。このように『実際の一回のゲームプレイ内で頻繁についていく』要素は、ガンジョンでさえ、本作「Cyberwar: Neon City」ほどはなかったと垣間見える。これらの点がガンジョンと大きく違っている点だろう。

なかなかこの微妙な差異を言葉で表現するのは難しい。だが、この微妙に違っている部分がゲームの根源的な構成パワーの違いを生み出しているように思える。故に、微妙に違っていて、結果的に全体の設計的な緻密さの点で大まかな違いを生み出しているように見映える。1/6にYouTubeで公開されたゲームプレイトレイラーを見る限り、本作「Cyberwar: Neon City」はガンジョン以降のガンジョンの正当な精神的後継作に成り上がるポテンシャルを秘めているように、あたし自身は思えた。