【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GE帝国盛衰史」~GEの失敗は組織の失敗である | ページ 4 | ゲヲログ2.0

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GE帝国盛衰史」~GEの失敗は組織の失敗である



Chapter7 会計トリック

エンロンほど悪質ではないが、性質の違う悪さを持っていたという項目っすね。会計処理上の問題って大体同じ手法で落ち着いちゃう。抜け道ってかそういうのがどうしても出来ちゃうから…思うに旧ライブドアもカネボウや日興コーディアルもそうだったしな。不動産とのからみ、過剰な投資、そして行き着く先は会計トリック…どーしても投資家と同じように企業家も同じ道をたどってしまうんだね。意図的ブラックボックスとでも言うべき手法で、隠れ蓑を合法的に作ることは現行法下でも十分可能なんだ、っていう主張。んで失敗を呼ぶたびに法改正が行われ、その法改正をまた潜り抜けるというジレンマ…だが、エンロン破綻の影響はGEにも悪く影響する。投資家たちに修正済みの利益報告をついにできなくなりつつあり、エンロン最強の投資部門であるキャピタル事業には逃げ道がなくなった。多くの投資家もエンロンと同じ目をGEに注ぎつつあったわけだ。というところでこの章は終わっている。ここまでイメルトに批判的な書でいいのか?とも思うが…

Chapter8 GEを見る目の変化

株価こそ企業価値、痛感していた矢先、PIMCOの大株主が社債を売ったと、多くの情報とともに発表した、という。しかも短期債も新規購入しないという。PIMCOは日本であまり知られていないが、米国では大変有力なファンドらしい。んで、情報付加価値ってのはやはり株をやるうえではかなり重要で、個人的な人間観察とかそういう心理動向が顕在化する部分でもある。だから個人的なマネージャー的な、あるいはスポークスマンのような立場で人気ある人ってのがどーしても出てくる。グロス彼らが、GEを疑い始めると車輪は輪転し続け、GEの株価は下落の道をたどっていく。最悪なことにGEの場合、その車輪に社運が乗っかっていたわけだ。ひとたび金融システムに疑念がかかると、それは最後の手段によって乗り越えざるを得ない。この時点でイメルトの手法は限られ、打つ手がひとつかふたつになっていったわけだね。そういうことが書かれている。エンロンとは似てはいるものの、決定的に違う方法でGEは確実に引き裂かれようとしていた。そこでイメルトの限定的な手法、広告塔になることともうひとつのある手法が局地にあるGEを奮い立たせることになる。本章に出てくるグロス(債券王ビル・グロスのこと)について付記しておくと…グロスは現在は債券市場関連業務から引退していて、運用面で最終的にあまりいい結果を残せなかった(グロスと並んでその手法が高く評価されていたバフェットは皆さんご存じの通りいまだに現役ですね)。こうして書かれていない部分もあること、を客観的にみると、GEの凋落っぷりばっか書かれてんじゃね?本当はいいことも多くやってんじゃね?(事実、コングロマリットとして実態経済にいいこともやってるはずや!☞まあそのあたりのイメルト広告塔を本書は批判して書いてるんだけどさw)それにしても、いまだに一兆ドル運営ってなんぞ!日本とは桁が違うで!!!