【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GE帝国盛衰史」~GEの失敗は組織の失敗である | ページ 2 | ゲヲログ2.0

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「GE帝国盛衰史」~GEの失敗は組織の失敗である



Chapter3 ニュートロン・ジャック

三章では、彼=ウェルチの幼少期から書かれてます。簡単にですがね。スピード出世ってとこですが、それほど詳しく書かれていませんね。すぐに経営改革の項に移ってます。ここで有名なシェア一位or二位以外の部門から撤退するという彼独自の豪胆なスタイルが発揮されていることがしっかり書かれてます。事業の集中と単純さへの傾倒ですね。プランニングはいらんからプラン出せってつったってあります。よーするに単純で明確なプロットを出せ、ということでしょうね。計画を練ることで評価されるのでなく、計画そのものを評価する風土を作りたかったようです。んで、複雑な人事には嫌悪感を示したとも。金融分野を新設し、従来からの経営刷新とともに、それを推進していった。巨大な銀行のように、ファイナンスの分野でめっちゃくちゃな膨大な利益率を上げる部門になったそうです。人材を徹底的に選りすぐる…これがニュートロン・ジャック(中性子爆弾)の意味ですね。ただ、この手法はもうアメリカの伝統的なものであって、最近のトレンドじゃないっていうよなことが付記されてます。例えば、環境汚染実害への保障負担など、いわゆるSDGsっていうんですかね?こういうのにも力入れないとダメよって昨今言われてるじゃないですか。つまり、社員の熱血さを求めるあまり、新しいメメントに対して配慮が足りんかったんじゃないかな?このあたりは日系企業とも対比できそうです。こういうスキャンダルは、債券や調達関係の分野で米国でもしばしばあるようです。利益至上主義というものがもたらす悪害ってことですかね…GEはここらで合一化していき、後任にバトルロワイヤル式の体制で勝ち抜いたジェフ・イメルトを登用することになります。つまり、彼がウェルチに代わる新CEOになる…ということです。

Chapter4 ビッグ・ジェフ

ん~、この章って読む価値ありますかね?というのも特段感想も抱きようがないなぁ、と。まぁ、この章によると、ウェルチも若いころGEプラスチックで失敗したことがあって(工場の屋根を暴発でぶっ飛ばしたそうですw)、そのうえで上長召喚命令で報告時に「改善案を聞かせろ」と言われ驚いたことがあったので(ウェルチはその時点でクビになる覚悟を決めてたそうです)、血も涙もないチャンスも与えない経営者っていう世間一般のイメージとは違く、成果を上げられる見込みのある改善策を練った人材はすぐにクビにすることはなかったとの記載があります。イメルトは営業畑で熱心に働く人材だった。だから、ウェルチは厳しいことは言ったは言ったが、失敗から何かを学ぼうとしている人に関してはチャンスを与えたこともある…そういうくだりがあってこそイメルト政権への引継ぎが為された、ということの顛末が書かれていました。横国の名誉教授が「ウェルチ厳しい人よ」っていってたことを、思い出しました。でも、ウェルチも人間ですね…ちなみにイメルトもウェルチと同じくGEプラスチック出身で、どうやら化学畑のかたに優秀な多いようですね。「ばけがく」というものはそれぐらい汎用性のある学問領域なんでしょうね。この辺りは、理系から端を発したビジネスマンとかシルバーカラーならば自然とわかると思うけど、日本の会社も同じニュアンスがあると思います(信越化学とかの半導体分野が一番有名ですよね。