続:「TYPE-MOON」ブランドで知られるノーツはなぜ有限会社なのか?【情報材の側面から観る】 | ページ 4 | ゲヲログ2.0

続:「TYPE-MOON」ブランドで知られるノーツはなぜ有限会社なのか?【情報材の側面から観る】



回帰という多角化-ノーツ・THE大団円-

このように一度ヒット作を作ってしまえば、コンテンツはIP、すなわち情報財産権となります。これからGoogleのようにハードに転じてもいいでしょう。あるいはAppleのようにハードとソフト両面で提起するのでも良いでしょう。現にフィギュア・ファンアイテム・アニメ化/映画化/DVD化、と路線は既に決まり切っています。だからこそ、ノーツは高収益体制であり続けるのです。おそらくこの分野でさらに先達だったのは、PC黎明期のころからMacゲームに着目していた、Alexander Seropianでしょう。彼はジョブズがMacを作ったばかりのころから、この側面に着目していました。

このように物語は比較的単純です。つまり、ソフトウェア産業、特に情報材の概念に、意識せずともその特徴を理解していた。そしてそのマネジメントに徹することで、高収益体制を敷くことに成功した。会社の規模を拡大することよりむしろ、IPのヒットは達成させたうえ、でっかい会社についていって、配給なりなんなりを頼み込めばいい。リスクは自社は取らず、提携先にリスクを取らせる。あとはマージンを搾りかすのように取れるところから取っていく…

これがノーツを高収益体制の有限会社にした最大の理由といえるでしょう。

<了>