続:「TYPE-MOON」ブランドで知られるノーツはなぜ有限会社なのか?【情報材の側面から観る】 | ページ 3 | ゲヲログ2.0

続:「TYPE-MOON」ブランドで知られるノーツはなぜ有限会社なのか?【情報材の側面から観る】



デジタル後進国・ニッポン-その反面教師・ノーツ-

時をさかのぼること、2000年。今から22年も前のことです。時の首相、森喜朗さんがIT革命ということばを使いました。その後、日本はデジタル化にむしろ後れを取り、凋落の一途をたどりデジタル庁をようやっと作り、今に至ります。流行語だけを頼みに、ことの本質=PG言語に堪能な技術者をないがしろにし、ハードウェアにこだわりすぎたのです(これが”テレビメーカ”シャープの失敗の本質でもありました)。

対して、ノーツはTRPGが源泉となっており、奈須氏・武内氏ともに、今からおそらく35~40年ほど前程度の時点ですでにソフトウェア・特に情報材の利点を知らずして理解していたのだとあたしは思います。このようにFateの実装においてもそのゲームという情報材の特徴性をかなり巧みにマネジメントできていた、これがノーツ成功の最大要因であるヒントぐらいは突き止められたと思います。三点、Fateヒットの要因を再び見てみます。

表情の多様性を重視する

ノベルゲームでは、登場キャラクターの表情に多様なパターンがないと、そのキャラクターの性格や心情がわからない!

・ゲーム演出の多様性を重視する

戦闘のイメージを出すため、画面を動的に動かし、効果線を有効に活用したり、滲みぼやけ効果、切り抜きカットシーンを多用したりする。”Fate以前のノベルゲームにはあまり見受けられなかった”点で後PSタイトルで活躍する、演出担当者(つくりものじ氏)の貢献がでかい。

・テキストをビジュアルとして魅せる

テキストが文字の流れ、つまり、単なるフローになっているだけではなく、芸術的なカリグラフィーの意識を齎すべくして作りこまれている。

まぁ、この三点ですね。これをノーツは忠実に攻め、守りきったわけです。まさに、ノーツがヒット作に恵まれ、デジタル化の恩恵を最大限受けた点でしょう。