ゲーム会社のBungieといえば「Destiny」およびその続編「Destiny2」のヒット作で知られている会社やけどFPSをこれで知ったという若者も多いや思う。それ以前からの、25年間の社史が語っているようにガチですごいゲーム会社じゃ。はじめはPongのクローンから始まっているんやが、ほかにも代表作多し。
「Abuse」「Marathon」「Myth」「Oni」「Halo」など今に至るまで先駆的なゲームばかり。 いまでこそ日本語のウェブページを持っているこの会社(https://www.bungie.net/ja-jp)の経営と哲学を作ったのが、シカゴ大学で人工知能の研究をしていた経歴のある、アレクサンダー・セロピアン(Alexander Seropian)だ。彼は流通の記事をTidbitsに寄稿していて、これをハーバード大学の井ノ本琢也氏が翻訳したもの(http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-352.html#lnk4)が日本語版に掲載されている。これを見る限りやはりセロピアンは天才だ!ちょっと個々の作品を解説していこうか…。
「Abuse」2Dアクションシューティングゲームのマッキントッシュへの移植版。 「Marathon」FPS。並みのSF映画・小説を凌駕する世界観とストーリプロット。 「Myth」ファンタジー系のRTSのパイオニア・後発のRTSではこれに影響されたものばかり。 「Oni」攻殻機動隊に影響を受けたアクションゲーム至上最強のタイトルと評するファンも。 「Halo」周知のとおりの超人気シリーズだが、ここにいたるまでセロピアンは天才過ぎた…。
やはりBungieの歴史を見ていけばわかるが、ヒットしなかったゲームが”ひとつもない”。セロピアンは(上の記事リンクを見ればわかるとおり)ソフトウェア流通の天才やった。今でこそ、彼の言う直販ダウンロード販売が主流になったけど、セロピアンはその効率性を十二分に当時から活用していた。「情報財の性質」をいっちばんよくわかっていたのが彼だった。実にSteamが世に出る2003年より10年以上前にそれに目をつけていたことがわかる。仲介業者は鍵屋を除いて(たぶん鍵屋もそのうちつぶされるけど)全部つぶれていった。ユーザが独自の文化力で翻訳してしまうことも、あるいはその流通性の行く末になにがあるのかもすべてセロピアンにとっては既知のものだったのだ。
さらに、彼はWinとMacの違いにも目をつけていた。それは、シェアの囲い込みをめぐって新しい時代の争いを予見していたかのようだった…(だからこそ、MSに目をつけられて、ベンチャー精神のあるセロピアンは社外に出た)。彼の天才性はBungieの活動の原力だったんだなと思う。彼はまた再びベンチャーを新しく建ててこいつはディズニーにうっぱわれた。そういうわけで、どうやらセロピアンのような天才は全部大企業のM&Aによって利益を得てきたようだな。で、今は三つ目の会社(https://www.ea.com/ea-studios/industrial-toys)のシャチョーか…。
彼は今アイスキャンディー片手に、デスクにかぶりついてめちゃくちゃハードに、だが楽しみながら働いていることだろう。