統計

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「Excel 最強の教科書[完全版]」~統計的には杜撰なところが多い.よってエクセルのノウハウを培うための本.

Excel 最強の教科書[完全版] 【2nd Edition】 | SBクリエイティブ これいい本ですかねぇ...って思うんすよ。ちょっと実例を挙げて批判してみます。 簡単なテーブル作成の部分も腑に落ちない点が多いんですが、特におざなりなのが、相関解析の部分(p264~p273:散布図のビジネスへの応用)です。例えば、確かに本書のp268にはこう書いてある。 右肩下がりの場合も相関係数は正の数値となる。 これ間違ってねえですか?まず、ここらから始めてみて、本書の統計的にダメな部分・疑問な部分を考えていきます。例えば、生物科学研究所の井口豊先生もこうおっしゃってます。 決定係数に関しては,「決定係数は相関係数の二乗だから負(マイナス)にならない」と説明されることがある。しかしこの説明は,二点で明らかに間違いである。まず第一に,決定係数には複数の定義が存在し,必ずしも相関係数の二乗とはならない。第二に,負にならない定義の決定係数であっても,それは相関係数の二乗とは限らないのである。 決定係数R2の誤解:必ずしも相関の2乗という意味でなく,負に...
統計

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「Rによる人口分析入門」中澤港~R併用した人口学入門の傑著・定本

統計ライブラリー 人口分析入門  |朝倉書店 神戸大学の中澤先生による、Rによる人口分析本。 概要 まず、冒頭では、日本の社会保障税一体改革の杜撰さが指摘されています。曰く、『人口減社会で需要減が巻き起こるのは当然のことで、それを見越して需給の計算をしなかったのは”愚行”である』とのことです。けっこう厳しい指摘が入ってますね。これは、中国人起業家の宋も言っていますが、常識で考えれば、増えた世代も負担すべき世代になれば社会の重しになるのは事実でありまして...中澤先生なんかは、このあたりの人口学のご専門なようで、かなり貴重で踏み込んだ意見がけっこう書いてあります。統計ライブラリーシリーズにしては珍しく手厳しいコメントが多くある書だと感じます。中澤先生によると、日本では人類学と人口学が、細分化・専門化されていない、とのことです。たしかにその通りだなぁと。アメリカではふたつがデュアル・ディグリーになっていることも珍しくはないそうです。重ねて言いますが、これはかなり適切かつ辛辣な※だなぁと思い、感心させていただいた次第です。 データの出自とグラフプロットの手法...
ゲーム関係

【連載:ローグライト探訪記】「Cyberwar: Neon City」~EtGやNTに並ぶポテンシャルありけり

1/6にYouTube上でゲーム「Cyberwar: Neon City」(開発・パブリッシングともにCyber Monkey Studiosの手による)の新たな一面を紐解けるゲームプレイトレイラーが公開された。一息ついて今見てみると、このゲームがリリースするころには良く仕上がる可能性を随分とズッシリ感じさせられる出来になっている。もちろん、本作だって、先達として「Enter the Gungeon」に端を発するゲーム種に属するタイトルであることは明白だ。なぜ、そうなのか?なぜ、EtGは傑作であり続け、この手の見下ろし型ローグライトACTの市場を席巻してきたんだろうか?ちょっと考えてみよう。 まずその要因は、もともと「Enter the Gungeon」の完成度が高すぎた、という明確な理由付けにある。ガンジョンの発売以降、ガンジョンに酷似した同じようなタイトルはいくつも出ては消えていったが、それらはすべてにわたり、ガンジョンそのものを完成度の点で超えることが出来なかった。もとより、ガンジョンと同じデヴェロッパが作っている後継作ですら、ガンジョン元来...
書評アニメ評

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「独裁者プーチンはなぜ暴挙に走ったか 徹底解説:ウクライナ戦争の深層」~イソップ寓話のファクトチェック

本書が”強い”のはいわゆる『池上ブランド』であり、それ以外はない。大体話の筋としては、昨今のメディア媒体で報じられて決まってきたロシア論であって、何も革新的なところだとか、目から鱗が落ちるとかそういうところはあまりない。だが、そのロシア論をおさらいして常識的なファクトを追っていったという点では十分評価に値すると思う。たぶんアマゾンレビューも星4つは堅いだろうな、と思ったら星3.7だった。 否、目から鱗が落ちる、という点も部分的にはある。それがp159からの「べリングキャット」の項目だ。「べリングキャット」というのは、イギリスの民間調査報道機関であり、特別なノウハウを持った機関ではない、と池上は伝える。この「べリングキャット」という民間調査報道機関は、SNSの情報を頼りに部屋にこもったままジャーナリズムを実践する、という特異な体系をとる、エリオット・ヒギンズによって旗揚げされたものだ。いわゆる、市民メディアのイギリス純血版のような立ち位置の報道機関だ。 もともとヒギンズはジャーナリスト志望だったが、大学をドロップアウトしている経緯を持つ(本書は確かに大学ドロップアウ...
書評アニメ評

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「メタネーション」~合成メタンの可能性を感じさせるトリセツ的良書

メタネーション – エネルギーフォーラム 本書「メタネーション」は、最近メディアで盛んに報道されている温室効果ガス削減手法の中でも、マイナーな認知度しかない、メタネーション(サバティエ反応)を主題に取った解説書である。サバティエ反応はフランス人のサバティエさんが1900年代前半に発見したので、その名がとられている。簡潔に化学反応式で表すと次のようになる。 CO2 + 4H2 ⇄ CH4 + 2H2O(ΔH:発熱反応) 簡単にメカニズムを説明すると、貯蔵した二酸化炭素を利用し水素と、触媒を使って化学反応をさせる。するとメタンと水が発生する...というわけだ。発生したメタンを都市ガス網で普及させ、各家庭や企業で使ってもらう。本書が提起するメタネーションの最大の利点として既存のインフラをそのまま使える、ということがある。例えば、ガス管をメタンガス管として代替して取り扱えばいいので、先進諸国でも後進諸国でも既存のインフラを駆使して、メタンを配備することができる現実的手法だ、としている(また、合成メタンはエネルギー効率が水素に比べ悪いが、水素と違い既存のインフラを活用...
ゲーム関係

SIEが伝える2023年に最も期待できるPS5向けゲーム23選

SIEが海外PSウェブページを更新し『2023年に最も期待できるPS5向けゲーム23選』を伝えている。今年(2023年)になってからdoope!もそれを引じる形で報じている。期待できるタイトルのラインナップを見てみて、俺個人なりに感じるところを各タイトルごとに事前レビューさせてもらう。 (; ・`д・´)<なるべく自分なりの考え方を交えて解説するよ! 1.「Marvel's Spider-Man 2」 まず「Marvel's Spider-Man 2」が1.にリストアップされている。このゲームは、所謂アメリカハリウッド映画やアメリカンコミック(アメコミ)で有名になった、あなたもご存じのキャラであるスパイダーマンを主人公に据え、原作設定を引き継ぎそれらをゲーム化したタイトル。本格的3DオープンワールドACTゲームの代表格として有名なブツ。よくある『キャラゲーはクソゲーになりがちである』という説をことごとく覆すIPとしても国内外で広く知られ、シームレスでかっちょいいACT要素を多く盛った優良タイトルとして有名どころのシリーズ最新作がコレ。神ゲーデヴェロッ...
ゲーム関係

「Frail Hearts: Versicorae Domlion」~日本語化予定はあるとの返答有

去る昨年8月にリリースされたラヴクロフト系JRPG「Frail Hearts: Versicorae Domlion」。そのローカライズ予定に日本語も含まれる見込みであることが判明しますた。ソースはfameが開発公式Discord上で質問したことに答えられたものです。 fameによれば、「日本語化して友達とSwitchとかPSで遊びたいんすけど...日本人にも受けが良いと思いまするから、実装されたら絶対にフルバージョンを買うよ!素晴らしいタイトルだからね☆」とサーバで言及したところ、モデレータのFiore氏から次のような答えが返ってきたとのこと。 こんにちは!fame、ホリデーシーズンを楽しく過ごしているかな。おっしゃる通り、FHの日本語翻訳には大変興味があるよ。現在、適切な翻訳者を見つけるためにベストを尽くしているよ。 ゲーム「Frail Hearts: Versicorae Domlion」は、四つのストーリーを追っていく形で構成されるオールドスクールのJRPG。現時点で「Frail Hearts: Versicorae Domlion」は英語と伊語...
二次創作ブツ

The Binding of Isaac SS ~盲目のアイザック~

僕の家は僕と母とで暮らしたいい思い出のあるうちだ。ただ、ある日、天から降ってきた悪魔に母が供されたことで、その思い出に終止符が打たれた。 その日以来、僕は母に家に閉じこもるように言いつけられた。次の日、僕は母に大きなハサミカッターで脅されて部屋に軟禁された。 その次の週になると僕は僕の周囲の異変に気が付いた。僕は僕の家の僕の部屋の窓から周囲を見渡したけど、道路に車走っていなければ、人一人すら通らない。 次の次の週になると、母は悪魔の声に毒されるようになった。すべて僕が僕の部屋の鍵穴からリビングルームをみたことだ。母はこういつていた。 「神よ!息子を、息子の命を捧げます!神の祝福に歓迎あれ!」母はこういうと、僕の部屋に入り込んできた。僕はとっさに南京錠をかけて部屋を密室にした。だが、母は僕の部屋に無理に押し入ろうとして、ドアごと錠を壊し始めた。 僕は戦慄し、逃げ道を探したけど、窓は閉じられ空くことがない。そこで、僕は部屋のカーペットをめくると、信じられないことに出くわした。僕の部屋のカーペットの下にはダストシュートが作られていて、そこが得体のしれ...
書評アニメ評

いまさら聞けないCSSセレクターの基礎

CSSの構文を日ごろから読んでいるけど、基本的なことを良く忘れる。馬鹿なので。というわけでいまさら聞けないCSSセレクターの基礎を頑張って自分が自分に教えてみる。 1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン入門講座 | SBクリエイティブ 今回の教科書は例のmana本です。 簡単に言えば、CSS適用する部分をHTMLと照らし合わせて参照するための指定コマンドのことをセレクタ―と呼ぶ。何はともあれ、次のCSS構文を見てほしい。 p div とあるが、これはセレクターを併記して記載している事例である(このようにセレクターはピリオドで併記することができることは忘れないでほしい)。ここでピリオド(点と覚えよう)がついていないセレクターは、タイプ・セレクターである。select および option というタイプ・セレクターである(HTMLの全ての要素はタイプ・セレクターになりえる)。 では、ピリオドがついているセレクターは何だろうか?次の構文を見てほしい。これはdivというHTML要素で絞り込んだうえで、remenu というクラス・...
書評アニメ評

【連載:クマでも読めるブックレビュー】「天才美少女生徒会長が教える民主主義のぶっ壊し方」天王寺狐徹~”かなり評価できる政治学入門書”

本書の概要 「天才美少女生徒会長が教える民主主義のぶっ壊し方」講談社ラノベ文庫 結論から言うと、かなりの良書だ。確かに政治学本流の書ではないが、入門としては別格の出来。マジで学部の政治学入門の授業で使って良いレベルだ。分かりやすく書いてあるし、ほぼほぼ妥当なことしか言っていない。しかもオリジナルな対比論が多くあるので面白く読めるんだ。例えば『宗教として憲法を読み解く』『憲法(constitution)本来の意味を考えよ』といったところから始まり...『イギリスの民主主義』『絶対王政の台頭』など、現代(2023年の今読み返してみても...)から見てもかなりホットで現在進行形の話題が多く散りばめられている。また、”散りばめられている”といっても、個々の要素がバラバラになっているのではなくして、それらが一体化していく様子もしっかりと本全体から書ききっている。だから、読んでいて面白い。話が点と線で繋がっているので、個性的な語り口から述べられているのに、一冊が評論としてしっかりまとまっている。 弧徹が提示する『宗教論』 そのうち、一番重要な主張が間違いなく本書の提示する...