”日本一”ふざけてる議題『ゲーム配信ガイドライン?そりゃ当たり前だ!』 | ゲヲログ2.0

”日本一”ふざけてる議題『ゲーム配信ガイドライン?そりゃ当たり前だ!』



”日本一”ふざけてる議題

『ゲーム配信ガイドライン?そりゃ当たり前だ!』

日本一ソフトウェアがゲームの配信ガイドラインを一新

日本一ソフトウェアが同社タイトルのプレイ動画をYouTubeなどでの配信規約を大幅に緩めたことがゲーム業界の各方面で話題になっている. 主要なゲームメディアではAUTOMATONが特に詳しく伝えている. AUTOMATONの記事によれば今回の日本一ソフトウェアの”改革”は大雑把に言うと同社製タイトルの配信が収益化システムに則って行われる以上これに限り認めるという内容だそうだ. これまで同社製のタイトルは収益化はおろかプレイ動画の配信すら認められてなかったという.

川本真琴による決して忘れられない一石を投じた功績

あたしが思い起こすのは川本真琴嬢による”反サブスク論”である. 彼女はSSWとして長年活躍してきたアーティストだがこの問題に一石を投じた功績がある. 個人攻撃のようなことをする目的でこの事例を取り上げているワケではないので詳しくは述べないがよーするにサブスクは音楽家にとって儲けを減らすシステムであると発言したことがあるのだ. これに対して再反論が行われ多くの音楽ファンは『もっといい曲つくりゃいいじゃん』と意見つけた経緯がある. なぜ川本嬢の論を思い起こしたのか?

サービスの低廉化とディスクレス化に見る

というのもサービスが低廉化して配信の形が変わるというのはやはり時代の必然であるという”常識”の認識があるからだ. サービスが低廉化しデフレーションしてくのは情報財が拡散していく過程でやはり一般的すぎる傾向にある. かつてゲームのカードリッジが一万円したことを思い起こしてほしい. あたしが高校生だったころなどはSteamのゲームは非主流だったが当然物理メディアでゲームを買うことなんぞなくなるとあたし自身同期の学生に対して言いふらして回ったものだ.

ValveとSteamが滅びる世界線

時代の要請がそうであったようにそれは当然そうなった. 情報財の価値観が変わりディスクレスになり人件費は抑えられる. ゲーム販売は”無人の荒野”で行われるようになった. そう遠くないうちにブロックチェーン技術の登場とともにそのディスクレスゲームでさえ中古販売できる時代がすぐ到来するだろう. Valveは今のところソイツを抑え込んでいるがもう滑車は回り始めているのでそれを止められない. Valveが既にUltraのようになるその検討を始めているのは容易に想像できる. 一歩間違えばSteamでさえプラットフォームの時勢に遅れを取る恐れすらある. それぐらい情報財の進化スピードは早いわけだ.

抽象性は増し障壁は除去される

つまり共通項としてあるのは情報財が拡散しイメージが離散化していく中でその抽象性はどんどん増していくということだ. そしてその情報財ゆえの特性を持っている財産そのものがルールや基盤を変化させていく性質を持っているということをこの事例たちは指し示している. ゲームタイトルを巡る基礎的なルールは一定の例外を除き軟化していき障壁を取っ払っていくことだろう. 音楽がそうであるようにゲームも当然そうなるのである. 情報財ゆえの必然的な特性がそう遠くない未来に待ち構えている.

『もっといいゲームつくりゃいいじゃん』の妥当性

川本嬢が『もっといい曲つくりゃいいじゃん』って思われ批判されたようにゲーマもゲーム会社に対して『もっといいゲームつくりゃいいじゃん』って言っていいんだ. それは配信によるネタバレや種明かしも含めそれがたとえそれそのままで全配信されたとしても買いたいような”as is”な状態にあったにしても当然のごとく買いたいような大きな魅力を持つタイトルをゲーム会社が作ればいいのだ. 配信を規約で縛る傾向を取るゲーム会社は力を失っていくだろう. それはルールで物事を縛る規制網にとらわれた過去の亡霊が作った単なる価値のない奇伝に過ぎない.

環境とクオリティとイノベーション

規制性の効用を無くしていくベクトルを持っている情報財は最低限度のイノベーティブな稼ぎを残してその価値が真に問われる時代に闘いの場を変容させつつある. 当然MSのWindows12も無料で提供されるだろう. 音楽がYouTubeの勃興とともに変容されたようにOSもそうなっている. Googleが無料のサービスを拡充する中で求められるのはグローバルな資本情報的世界における抽象性の把握力である. CDはなくなりゲームディスクも当然無に帰す. イメージは拡散離散化してその価値は頭の中に残る”刻み”になるのだ. その時真なる勝者は真の名に適した価値のあるイメージを作れる情報財業者に他ならない. その時求められるのは現タイトルのクオリティの高さと並立するだけの環境に変容し生存するための経営におけるイノベーションなのである.