Netflix「ドリーム 〜狙え、人生逆転ゴール!〜」ネタバレあり短評 | ゲヲログ2.0

Netflix「ドリーム 〜狙え、人生逆転ゴール!〜」ネタバレあり短評



ユン・ホンデ(演:パク・ソジュン)は親類のスキャンダルを抱えたプロサッカー選手。自らの不注意で記者暴行の不祥事を起こしてしまう。その後、ひと悶着あってホームレスによるサッカーW杯に向けた韓国代表チームの監督になることに。だが、これは韓国の小さい映像スタジオの描いたリアル系番組制作の一環(つまり、映像ビジネス)に過ぎなかった。

不本意ながら、これをホンデは引き受ける。紆余曲折を経て熱心にチーム作りに励むホンデと、当初は彼のプロ意識の高さについていけず後れを取っていた個々様々な事情を抱えるホームレスたち。幾多ものチーム解散の危機を乗り越え、ホンデとホームレスのサッカーチーム員たちとの間には徐々に絆が生まれ始めていく。

迎えたホームレスサッカーW杯、ホンデが監督を務める韓国代表チームは優勝候補・強豪のドイツと相まみえる。5-0と大幅なリードを許したが、後半に最後のチャンスで値千金の最終ゴールを韓国チームが奪う。小さいスタジアムを舞台に、最後まで気力と闘志をむき出しにして懸命に戦うホームレスたちの雄姿がそこにはあった。失う物のなくなった、彼らの見えない力に、W杯会場の観客たちは震え感動する。

W杯を1勝10敗で全日程を終えた韓国チームだったが、ナショナルチームは見事にニューカマープライズに輝くことができた。そして、小さきもうひとつのW杯を終えた韓国ナショナルチームの彼らはもう【ホームレス】と呼ばれるほど落ちぶれた存在ではなくなっていた。とうとう、ずっと探し続け見失っていた人間の生きる意味・その素晴らしさに気付き、各々の人生の喜びに浸れるようになったのだ。番組は成功し、ホンデはプロサッカーの世界に戻れることになった。迎えた復帰戦、ホンデがヘディングシュートを繰り出すところで物語の幕は閉じる。

金銭トラブルを抱えていたホンデの母も、奨学金の返済に苦しんでいたTV番組ディレクターも叫ぶ。なによりも生きるための誇りを失いかけ、かつてホームレスと見下されていたものたちが、ホンデの走るサッカー競技場で、彼の全力のスプリントを励ました。懸命に叫び、このように励ましたのだ…

「ホンデ!走れ!」と。


久々に映画で感動して泣いたよ。やはり人生の中で生きることの大切さというのは、決して目に見えないものだということを作品中で描いてくれたと思う。かつてホームレスと言われた人々が誇りを取り戻し、もうホームレスではなくなるプロセスを大まかに王道に忠実に描いた。個々人の生きる力こそが人生の中で重要なのだと、有限な世界の中で苦しむ無限の中でこそ、与えられた使命に懸命に挑むということの凄さを久々に思い起こさせてくれた。素晴らしい映画だったよ。すごいよね、ホンマ。これだからNetflixはやめられねーぜ。

そうか、”Your Life Is Beautiful(あなたの人生は美しい)”か…