他もうひとつ肝心な部分にACT要素が挙げられるだろう。この部分は、博士からインジェクトしてもらったバトルスーツに付加装備されているビームセイバーとエネルギーガンを頼りに敵をなぎ倒していくというもの。近接武器と遠隔武器の使い分けが可能なほか、ドッジロールによる回避行動・いわゆる『止めをさす』コマンドまで実装されていて、いわば様々なアイデアでアクセントをつけている。どうやら製品版では、アンのこういったアクション要素はチップのようなものを追加でインジェクト・インストールすることにより拡張可能らしい。通貨の概念もあって、散乱している各種オブジェクト要素もハナシの本筋を盛り上げてくれる。
全体的にグラフィックデザインにSFのアイデアが生かされてて、THE・サイバーパンクと呼ぶにふさわしい。あたしが思い出したのは「FF7」や「Cyberpunk2077」といった巨大IPだ。SFの世界観の下でなにやらうごめく悪や秘密を暴いていくのが共通項だけれども、本作の場合、こじんまりとしたインディーならではの味があり、しかもその単純さに併走するように、奥深さを基盤的なゲーム設計に取り入れている。
もち、決して単純に「FF」シリーズの一作品・その最大の巨頭と言われる傑作「FF7」と比較できるわけでないけど、このゲームなりのオリジナルな部分が光るのは歴然たる事実。
間違いなく今期最高のインディーゲームのうちのひとつ、Must Playの一作になるやろう。
※画像:ゲーム「ANNO: Mutationem」より引用