ゲーム「Card Shark」は、ポイントアンドクリックのシステムを持つ、イカサマアドベンチャータイトルだ。プレイヤーは下流メシツカイとなり、イカサマを武器に、騙しのプロ・サンジェルマン伯爵と手を組み、賭け事で大金を狙う。カードを活用したイカサマの手法が逐一解説され、そのスキームに沿ってイカサマを実行する。これだけのゲームだが、このアドベンチャータイトルには偽証自体を偽らんとする、騙しに生きる人生がダイナミックに表現される冒険譚がある。
サンジェルマン伯爵、という人物は実在する人物、かつ伝説の中で生きている人物ともいえる。この人物に対してはWikipediaに詳しいので、解説の場を譲るが、簡単に紹介すると、世界の動乱のさなか・その場に何回か見受けられている…という都市伝説の人物だ。おそらくこのゲームの作者もそこに着想を得てこの人物を描いているのだろう。
メシツカイの自分は、ある日伯爵と酒場で居合わせる。イカサマを学び、騙し・騙されることをうまく利用し、悪行を暴露されずに大金をゲットすることが目標だ。カードのイカサマは、決してアクションゲームらしくプレイできるものではない。あくまでアドベンチャー系に属するゲームである。だが、表現多彩に・ダイナミックに騙しのお話が描かれるので、アドベンチャーなのに従来のアドベンチャーとはまったく違った”動きのある表情”がゲーム表面に浮かび上がる。
具体的には、カードの盗み見から始まり、挿げ替え・チェッキング・シーケンスと多彩なカードトリックを徹底的に教え込まれる。なるほど、こういったトリックなのか!と思わされるシーン多数あり。騙しの世界において、成金王へと成り上がるも浮浪者と成り下がるも、すべてはあなた自身の(悪い意味での)技量・手技・暗記/読心力次第だ。
※画像:ゲーム「Card Shark」より引用.