Steamゲームレビュー「ANNO: Mutationem アノー:ミューテーショネム」~FF7・Cyberpunk2077を凌ぐSFACTADV超ド級の大傑作 | ゲヲログ2.0

Steamゲームレビュー「ANNO: Mutationem アノー:ミューテーショネム」~FF7・Cyberpunk2077を凌ぐSFACTADV超ド級の大傑作

ゲームの紹介

ひとことで表すのであれば、本作「ANNO」はすさまじいゲームだ。存在自体がありえないといっても過言ではないぐらい、あたしは感動した。

主人公アン(Ann)がエージェントとしてハッキングやバトルスーツを使って、この巨大SF都市に潜む不正企業・地下活動団体・生物兵器などに立ち向かうというゲーム。デモ版をプレイしたトコでは詳しいところまではツッコめず、これぐらいしかストーリーは追えない。

物語の導入部分で、主人公アンは自分の装備調達を担当してくれるブレーン・アレン博士のもとを訪れることになる。成り行きで新型のバトルスーツを試す試験に参加。その後、行方をくらましたライアンを追っていき、その道中で出会った悪役のリーダー格のものを追い詰めるところでEnd. 意味深な演出とともに主人公アンに隠された過去を追うことがコアな部分になるようだ。

デモ版で体験できる物語の最終局面では、なにやら登場人物(おそらくアン)が吐血するシーンが…彼女に秘められた秘密は何か?デモ版ではここまでで”お楽しみ”は終わってしまう。そしておそらくその謎を紐解いていくことが物語の核心となるだろう。ベンチに座る老人?汽笛を鳴らす列車?なんぞやと…
潜む”世界観の広さ”という謎

アンのおともにはアヤネというAIエージェントがつく。製品版がリリースされたあかつきには、彼女アヤネのサポートや、SFによく登場するようなハッキング端末を使い、ストーリーの本幹に挑むゲームになるらしい。また、ストーリーを進めていく過程で行くべき点はひとつひとつ図示されていて、本作はオープンワールドとは呼べないぐらい、進捗が直線的だ。決して迷いどころが多いゲームではない。

お茶目っぷりが目立つ毒舌家のサポ―ター・アヤネ。実態はなくAIのような存在だが、いちいちなんとも可愛らしいリアクションで物語を盛り上げてくれる重要なサイドキャラクターだ。彼女のサポートなくして物語は進められない。この画像は彼女のサポートを受けて、ハッキングによりドアをアンロックするシーン。

加えて、たしかに本作は現時点でプレイできる範囲はかなり短くコンパクトに収まっている。だが、すべてのSteamerがフルプライスで購入すべきというほど芸術的な作品であることも確か。なぜこのゲームの展開がこれほど短いデモ版で”閉じられている”のにもかかわらず、魅力的なんだろうか?その背景に世界観の上手い作りこみとデザインの思想に優れている点があることが挙げられるだろう。

本作の大局的なデザインとしては、2Dの神レベルのドット絵を基調に3Dのようなモーション判定を追加している感触を受ける設計となっている。そして各種オブジェクトやマップもそれに準拠している。この基盤的な設計方針により、グラフィックスに一味ではない二転三転の風味が効いていて見ていて飽きがこないようなっとる。工夫が凝らされている分、独特なイメージを受けるもんなんで、世界観の作りこみがふつーの大作3DSFよりもずいぶん増しており、すさまじく広いレンジで、背後のうごめきを感じさせるゲームになっている。オープンワールドではないのに、これほど深い世界観を感じさせることができるのはすごいとしか言いようがないっす。

驚いたのは都市のカキコミだ。2Dと3Dとを融合させるという目的に合致した見事なデザインではないか。短いデモ版でのプレイにおいてでさえその背景の描き方には驚嘆させられるもんがある。『荒く・細かく・美しく』…といったところか。
神がかった広いレンジのドット絵はローディング画面でも拝める。
アクション要素について

さて、他もうひとつ肝心な部分にACT要素が挙げられるだろう。この部分は、博士からインジェクトしてもらったバトルスーツに付加装備されているビームセイバーとエネルギーガンを頼りに敵をなぎ倒していくというプロットに基づくもの。近接武器と遠隔武器の使い分けが可能なほか、ドッジロールによる躱し・いわゆる『止めをさす』コマンドまで実装されていて、いわば様々なアイデアでバランスを取っている。どうやら製品版では、アンのこういったアクション要素はチップのようなものを追加でインジェクト・インストールすることにより拡張可能らしい。通貨の概念もあって、散乱している各種オブジェクト要素もハナシの本筋を盛り上げてくれる。

2D+3Dというアイデアを縦横無尽に表現するカメラワークも本作のACTシーンを盛り立てる。
インディーならではのサイバーパンクゲーム

全体的にグラフィックデザインにSFのアイデアが生かされてて、THE・サイバーパンクと呼ぶにふさわしい。あたしが思い出したのは「FF7」や「Cyberpunk2077」といった巨大IPだ。だけんども、本作、ぶっちゃけあれらより優れているポテンシャルがある。SFの世界観の下でなにやらうごめく悪や秘密を暴いていくのが共通項だけれども、本作の場合、こじんまりとしたインディーならではの味があり、しかもその単純さと奥深さを基盤的なゲーム設計の思想の工夫により限界まで拡張していると思う。

デザインとして優れているのは目に立つカリグラフィーやロゴなどにも表れている。特にそのアニメーションがドット調を基盤にして自由自在にヌルヌル動くことに注目してほしい。このように『ゲームはそこにあるように』作ってしまったほうが演出面では手っ取り早い…というわけだ。

だからこそこのゲームは「FF7」を凌ぐ世界観をこのポストモダン・ゲームの時代にもたらしてくれているといえるんではないか。もち、決して単純に「FF」シリーズの一作品・その最大の巨頭と言われる傑作「FF7」と比較できるわけでないけど、このゲームなりのオリジナルな部分が光るのは歴然たる事実。

間違いなく今期最高のインディーゲーム、Must Playの一作になるやろうや。

※Source of Photo: IGN ANNO: Mutationem