佳作「Immortal Redneck」とよく比較されるタイトルに「Ziggurat」という”魔法もの”のFPSがある。今回紹介するのはその続編「Ziggurat 2」。本作はFPSにアンロック要素・収集要素を豊富に持ち込んだいわゆるローグライトFPSという今流行りのジャンルのうちのひとつ。プレイヤーは多くのローグライト要素をアンロックしていきながら、塔型のステージひとつひとつを攻略していく。
ステージはプロシージャル生成で、構造は似ていても同じものはない。各ステージの塔の最深部には強力なボスが出現し、ステージ道中でのマナリソース管理力が厳しく問われるスキームになっている。道中でレベルを上げることによってマナとHPの回復はできるし、倒した敵から得られる拾得物でもこれらの回復が可能だが、マナ尽きれば万策尽きたも同然と思っておいた方が良い(無駄玉を撃っている暇はない!)。たしかにプレイ感覚はDoomやQuakeに似ている。だが、あれらに+αの要素…マナリソース管理という重要なタスクをプレイヤーに課しているのが特徴。魔法の発現に使える武装アイテムには、基礎魔法であるワンドがあり、さらに三色に分類された魔力をそれぞれ専用に使う、多彩な杖・魔導書・火器といった武器がある。グラフィックスは前作と比べてより洗練されている。
今作、ステージ内に潜むギミックも多彩になっている。部屋内のすべての敵を掃討すれば次のステップへ進めるのだが、この各区に区切られた部屋は様々な特徴を備えている。特殊な条件下で戦うことが求められるトラップ部屋もあれば、回復ユニットが配置してある部屋、ボーナスアイテムが得られる部屋、パークが得られる部屋、ステージ進行のための鍵が置いてある部屋もある。これらのステージ設計に対する理解は、攻略のために必要となる知識である。
例えば、HPを回復するバフ部屋を焦って早急に活用してしまうと、道中でザコ敵相手に不用意にHPを減らしかねない。するとボス戦をゴリゴリHP削られた状態で戦わなければならんというどうしようもないという事態に陥る。よって、うまい具合にバフ部屋は後々のため確保しておくべきだ。もちろん前述したように、それはマナについても同じ。このようにDoom/Quake特有のスピード感の下、射撃の爽快感を味わえるだけのFPSではない。
本作はアンロックできる要素が膨大。『ハマればハマるほどハマる』中毒性がある。例えば、武器だけで大体50種ぐらいは確認できるし、パークともなると300種にも及ぶ。クリーチャーも逐一記録図鑑に収録される。細かいものも含めすべて合わせると500種ぐらいアンロックする要素があるのではないだろうか?もちろんヒーロー(プレイアブルキャラクター)もその範囲に入っている。11ものヒーローをアンロックするには相当時間がかかるだろう…
ステージの区切りとなる休息の場ではラボ機能を使うことができる。これは基礎能力をアップさせることのできるローグライトお決まりの機能。ステータス上昇の割り振りには消耗品である紫の印「インサイト」が必要になる。基礎ステータスを上げ、毎回挑戦をちょっとづつ楽にしていく、これぞローグライトの真骨頂。
加えて、オンラインランキングが掲載されたデイリーチャレンジや、クラシックモードと呼ばれる、ゲーム本編外の攻略要素も多数用意されている。やりこめばやりこむほどやりこみの深さが深まるローグライトFPS。通常の塔をワンステージ四層クリアするだけでも40mぐらいかかることもあるからコアなFPSerにもお勧めできる。
というわけで、普通に傑作です。「なんでこんなに流行ってないの?PS5でもだしゃいいのに…」ってぐらい完成度は高いっす。すべてにおいてフルカスタム上位互換といえる見事な続編に仕上がっている。豊富なコンテンツとその設計・構成の精密・緻密さではどのタイトルにも負けない秀逸な一作でふ。
( ゚Д゚)<ガチンコ、コアなSteamerならば買うしかねぇ一作じゃ…
※画像:ゲーム「Ziggurat 2」より引用.