【連載:ローグライト探訪記】「Evertried」~ゲーム「エバートライド」ローグライト ミーツ チェスゲーム | ゲヲログ2.0

【連載:ローグライト探訪記】「Evertried」~ゲーム「エバートライド」ローグライト ミーツ チェスゲーム



ないよう

ぶっちゃけ、ゲームをプレイするにあたり、ストーリーらしきストーリーはほぼない。ただ単にプレイヤーは死後の世界で、来世の仕組みを白黒はっきりさせるため、『戦士』となって謎の塔を50階層駆け上がる必要がある、という。その後、階層を上り終えたらば、きっと自分の運命に気が付く…というオフレを抱いて。まぁプロットはこれぐらいだな。目標はすべての階層それぞれにおいて、そこの敵チームを一掃すること。特定階層には“守護神”と呼ばれるボスユニットがいて、かなり強力な攻撃を繰り広げてくる。ま、はしょちゃって言えば頭の使うゲームだ。

すごいところ

このゲーム、ローグライトものなんだが、ある種のチェスに似ている。かつて数多のゲームデヴェロッパがチェスのような戦略性をデジタルゲーム内で再現することを目標に、いくつものゲーム作品を作り上げてきた。その数知れずとも、戦略性をシンプルながら奥深いものに仕立て上げたゲームリリースの成果および評価を得たものはかなーり少なかったことには多くのSteamerが同意するところだと思う。ただ、本作はこの点に限って言えば、かなりチェスの再現性に近しいものをビリビリと感じる。ここが一番のポイントだッ!

しすてーむ

というのも、このゲームこちらが移動・攻撃するターン制時間の間、同じだけの手数を敵ユニットも持っている。つまり機会は均等であり、相手にアタックすることも移動でのカチアイによって為される(他にもパッシブスキルを使って攻撃する手法はあるがあくまで特殊能力なので連続して強力なこの攻撃は使えん)。一度にニマス移動できるダッシュのシステムもある。これは、うまく活用し相手をスルーしたり時間調整のために使うためにビルドされているシステムだ。

HPが無くなれば当然ローグライトゆえ最初からやり直し。コツは、敵を各階層にほぼあるトラップオブジェクトの餌食にする工夫をすること。また、移動しながら”フォーカスゲージ”と呼ばれるゲージをうまいこと保全しつつ、手に入れたパッシブスキルで敵を一網打尽にできる手数がどっかにあるように設定されているという点に、”ひらめき”を感じることも重要だ。気付きにくいけど、これに経験と勘で気付けるか否かという点でステージ階層をどこまで安定して上がれるかが決まるといっても過言じゃない。

このゲージは基本的には移動するだけでは減り、また、連続で攻撃したりザコ敵を倒したりすることで溜まるようになっとる。そしてそのゲージを吐いてパッシブスキルを使用できる…ちゅーわけ。このパッシブスキルはゲーム内では”モディファイア”と呼ばれるもので、塔踏破の途中に位置するショップで”カケラ”と呼ばれる通貨を使用することで手に入れることができる。このショップ内ではほかにも”カケラ”を定数使用してHPを全回復できたり、あるいは当該ショップ内で居並ぶ”モディファイア”購入の選択肢を変える=リロールすることに使うことができる。”カケラ”は階層で敵を倒すことで得られる。

まとめ

肝心なのはこれぐらいでゲームとしてはかなりコンパクトにまとまっている。はっきり言って『ただ移動し、相手をうまく誘導し、有利な状況を作る. . . 』これしか本作のロールプレイの本質はない。だが、恐ろしくその引き出しの深さは深い。升目の数は決まっており、あとの生成はプロシージャル。つまり、升目以外の階層構成はローグっぽい…それがまさにチェスlikeの戦略性を見事にバランス取りしている。

いやぁ、面白い!かつて富士通のPCに搭載されていたゲーム「アリーナ」を思い起こさせる。あれを現代的に大胆にアレンジしたようにも思える作風だ。とにかく無駄が一切なく、洗練されたゲーム・完成されたゲームだといえるな。

※画像:ゲーム「Evertried」より引用