今更ネトフリで「さよならの朝に約束の花をかざろう」を見たので低能が低能な脳力を使ってその”キモさ”に迫ってみる | ゲヲログ2.0

今更ネトフリで「さよならの朝に約束の花をかざろう」を見たので低能が低能な脳力を使ってその”キモさ”に迫ってみる



「さよならの朝に約束の花をかざろう」をネトフリで見たんですよ。けっこう面白く見れた。
気になったところから開拓してレビューしてみたいと思う。


「さよならの朝に約束の花をかざろう」はキモいのか?

このアニメのタイトルで検索すると予測検索に”気持ち悪い”というワードが出てくるんですよね。けど、じゃあほかのアニメはキモくなかったのかというと微妙なところだと思います。他のアニメでも不自然なキモさはあると思う。やはり、想像にまかせて物語を描くことはアニメーションというメディアの性質上多いですから、キモいアニメなんていくらでもある。では、なぜ「さよならの朝に約束の花をかざろう」はキモいと言われているのか?多分、キモいと酷評している人は、本アニメのテーマの主題に【不老長寿】の種族を据えている点が気になったのでは?とあたしは思うんです。その種族の末裔が長寿ではあっても、不老ではない人の子を育てる…このストーリーのコアの部分に特に触発されるものがあって、特定のレビュアーは、本アニメ映画がキモい、とか、生理的に受け付けない、と感じたのだと思います。でもちょっと待てよ、と。『そもそもあたしら人間の現実の世の中なんかそういうモンじゃね?』っていうのがあたしなりの反論です。

現実とのキモさの比較

話は変わります。あたしの住む街の近くには専門性のある人気のスーパーマーケットがあります。その周辺には大学とか専門学校が結構あって、そこらの学生さんがバイトに来てるんだよね。だから若者が多い。若者が多いと、店自体が活気づくじゃないですか。だから、そういうスーパーは見ていて買い物をしていても楽しいと思う。若い美男子や美女が店員に多いんですよ。『いや、何が言いたいんだ?』って思うかもしれへん。でも、世の中渡り歩くには、美男子や美女のほうがずっとずっと人生得じゃないですか。これって現実だと思うんだよね。それをルッキズムというと微妙なところなわけで、こんなスーパーマーケットの話題を持ち出すまでもなく、人間、誰が誰かのことに好意を抱くってことさえ、ぶっちゃけ、少なくともルッキズム5割・ポリコレ5割の世界で生きていることだと思うんですよ。ありていに言うと、そりゃ美女のほうが結婚しやすいでしょwってなわけよ。女性にとっても、相手のかた、美男子のほうがいいでしょ?当然。例えばさ、実写の映画でだって美男美女の俳優さんをいっぱい使うわけじゃん。洋画にしろ邦画にしろそうじゃん。アニメ映画よりも、ある意味ずっと過酷で気持ちの悪い現場だと思うんですよ。そういう価値観をちょっとでも平等に見たら、このアニメ「さよならの朝に約束の花をかざろう」だって、テーマとしては面白いし、そういうストーリーのプロットがあっても、別にいい価値観じゃないか?って。アニメなんだしっては思ったのよね。

本作が描きたかったもの

むしろ、そういうところを、出来る限り自然体に描いていて、ルッキズムやポリコレに一石を投じている作品だと思うんです、本作は。主人公がそういう種族(イオルフ)で、遺伝的な思惑があって種族を滅ぼされるわけじゃないですか。んで、イオルフの女性が側室に迎えられる。むしろこれ以上ないリアルな悲劇ですよ。でも、そういった遺伝は子に発現しなかった。現実的なとこ突いてるよね。また、主人公(イオルフの女性)は人間の子を立派に育てしっかりとした大人にしている。その子にだって、葛藤があって、人生に伴う苦難や困難があって、本当の母親ではない存在を懸命に母親としてとらえていきたいっていう意欲があってこそ、軍隊に入るわけです。戦争はあくまでそれらの人間やイオルフらの個々集団の生命体を巡り、物語を媒介しているだけで、そこには戦争の悲惨さだとか、そういうことはことさら強調はされてないですよね。むしろ戦争の物語では”なく”、【人間の物語】に徹して描いている。このアニメ映画の内部に流れる純潔さ・純全さに比べれば、我々の人生なんぞそれこそずっと汚くキモいんだと思うんです。物語に穴はほとんどなくて、岡田麿里が初監督作品として世に出している映画にしては相当完成度が高いほうだと思う。むしろ、「あの花」「ここさけ」のほうがずっとキモかったですよ。だって無理に泣かせようとか、過剰演出な面があったじゃない?んでアニメによっては実写化とかふざけたことやってたじゃない?あわよくば他の人気アニメをパチスロ化する…とかのほうが人間の賭博の本性を突くあたり、相当キモくないですか?って思ったんですよ。

むしろ現代性のあるアニメだと思う点について

これでもかと泣かせて来る辺り微妙だ…というレビューもあるようですが、これまでのアニメ史を振り帰っても、そういう中で決してキモいとは断定的に言えないし、現実的な主題までも描いてて、描きたいものがあったからこそ岡田麿里が初監督作品として出したわけじゃないか。だから、『ここまで完成度が高いのは驚かされる』とかの深海誠でさえ評したと聞いてますよ。むしろ、岡田監督はこれまでの経歴や実績を振り返って、未だないアニメ・新しさのあるアニメを十二分描いていると思う。泣けるとまでとはいかなかったけど、読後感のある良いアニメだと思うんだけどな。むしろ、親子の存在とかそういうものが脅かされている今だからこそ、我々大人が見てもメリットや新たなる発見が多いと思いますよ。これがアニメーションの持つ想像の力・むしろそれを超えていく現実の力、って言っていいんじゃないかね。


今描けるものを十二分に描いた傑作だと思うよ。むしろ、最近のジブリ

<了>