バイオインフォマティック研究について思いついた素朴な疑問 | ゲヲログ2.0

バイオインフォマティック研究について思いついた素朴な疑問



あたしが課題に取り組んできてこの分野でわかったことはいくつかある。

①ドライ系本流のバイオインフォマティクスで得られる知見には限界性がある

一番に挙げておきたいのは、バイオインフォマティクスの主流派であるドライ系の研究は、統計的手法に終始していて応用性に乏しいことがままある、ということだ。例えば、実験を伴う研究にバイオインフォマティクスを応用する研究者と生データは拝借するだけの研究者では当然前者のほうが有効である。なんつったって、自分の個性が如実に出る入力データを加味した個性的な研究ができる。自分でデータを集めることができる、できない、では当然前者のほうが有利だしオリジナリティあふれる研究デザインが可能だ。例えば、BCGとコロナウイルスの関係性を紐解くうえで、単にマッピングの技術を応用するだけでは、その有効作用をうまくことはかることはできないことは簡単に頭に思い浮かぶだろう。ここに、細胞株ごとの割合や実際の生化学的反応の度合いを持ち込んだほうがずっと疫学的な側面に実験科学の側面を持たせうることができるのは当然のことだ。決して、バイオインフォマティクスは単なる地政学ではない。バイオインフォマティクスは新しい知見を得るため開拓されうる学問分野なはずだ。

②そのため奇抜な手法を研究案として提案する必要がある

では、バイオインフォマティクスがそのドライ系の閉じた系から発展し、さらに進歩するにはどうしたらいいか?まず実験系を合わせる、ということは先の項で述べたとおりだ。もうひとつ手法があるだろう。それが研究デザインに”奇抜さ”を盛り込むということだ。従来から考え付かなかった範囲で奇抜なデザインを研究にもたらすのだ。つまり、比較対象に大きく乖離したと思われる分野や研究データを研究に盛ってしまうことだ。昔、阪大のとあるデータベース研究者が主張していたが、DBそのものを純粋に研究する学者は少ないという。その教授によれば、DB研究においては自分が得意な分野を二つ三つ持っていてこそ生きる応用学問だという。つまり、自分の得意分野を何個か持っていれば、それらをつなぎ合わせて比較検討し、新しい知見を導き出す、マイニングが可能だ、というわけだ。ならば、バイオインフォマティクスでも同じことが言えないだろうか?例えば、あるAという系およびBという系を比較分析することで、なんらかのパターニングの発現が観測出来たら、たとえ元データや出力データがエクセルベースであったとしても、これはすでに立派な応用DB的研究の芽といえないであろうか?例えば、テキストと発現遺伝子の配列間になんらかの汎用的な符号のある効用を見出すことができないか?あるいは、論文のテキストやIFと民族分布などをマッピングして、そこに何か知性の偏りを見出すことができないだろうか?どこからアクセスされ、どこのテキスト部位に反応し、どの年代の人がどれだけのレスポンスを示したかを定量的に分析できれば、さらに個性・テーラーメイド型のバイオインフォマティクスの研究にならないだろうか?

もちろんこの手法に課せられる強い課題もあるだろう。次のページではそれを解説する。