あなたが「オクトパストラベラーⅡ」をフルプライスで買うべき、本作を傑作にせしめたる、たった二つの理由 | ページ 3 | ゲヲログ2.0

あなたが「オクトパストラベラーⅡ」をフルプライスで買うべき、本作を傑作にせしめたる、たった二つの理由



システム評

この点ももろ手を挙げて賛成できる。例えば、タイムラインとブレイクのタイミングっていうのは、ごくごく慎重なATBのシステムなんだけど、このバランスが絶妙なのよ、「オクトパストラベラーⅡ」は。タイムライン見て戦術練るじゃん?んでその通りにいくじゃん?でもブレイクのタイミングとかシステムの交絡が上手いこと効いててコショウ効かせた程度のレベルじゃない絶対的なゲームバランスを保持してるのよ。

タイムラインという「スターレネゲード」におけるシステムとの比較

タイムラインゲーといえば、傑作SFローグライトゲーム「スターレネゲード」が一番に思いつく(てかぶっちゃけ「オクトパストラベラー」だって「スターレネゲード」の影響受けてんじゃね?ってあたしは思ってるぐらい)。あれ(「スターレネゲード」)も凄まじく楽しかった。システムバランスとしてはあれに似てるよね。でもストーリーの項で書いたように、このシステムの項も単なる物まねじゃないんですよ。「スターレネゲード」よりかは敏感じゃなくて、あくまでスクエニの謹製RPGとしてのシステムの付随物っていう感じで小奇麗にまとまってる。タイムディレイとかは「スターレネゲード」より、ずっとおおざっぱな設計なんだけど、わかりやすくあれ(「スターレネゲード」の戦闘システム)を再構成し、それでいて戦術性は一ミリも逃さない理想的な形状を、RPGの側面から支援・構築できている。

ローグライトでもローグライクでもないRPG

本作はローグライトでもローグライクでもないんだ。まさにRPGなんだよ、RPG。でもゲームのシステム的に難易度のバランスをうまくとっているため、あたかも、バランスの良いローグライトが連続的に続く遊技…という含蓄で、RPGの持つ可能性・新たなる局面を打開しようとしている。しかもそれが見事に成功している。特に攻撃属性というシステム・それがガーディングとブレイクに影響を与えるという意味合い・適切に行動し次の策を練るという戦術性・絶妙なターンタイミングの推量…これらのうち、どれをとっても一級品に近い出来なんだ。それはリアルタイムでもあり、ターンベースでもあり、緊迫感のあるACT性あるシステムでもある。すべてのゲームの総括を「オクトパストラベラーⅡ」がしちゃったっていうぐらい凄いんだよ、マジで。

攻撃属性という紐解き

特に、攻撃属性の側面はすごく興味深い。ゲームが進むと属性も増えるし、弱点をうまく突くことが精緻に求められていく。つまりシステムがストーリーの進行域に影響を与え、RPGだからこそ飽きられないっていう飽和しない設計ができている。攻略の仕方が多様になっていくんだよね。例えば、ヒカリ編二章のボスもそうだった。弱点が交差して入れ替わっていって、次第に相手の動向に合わせてこちらも対応力を練らねばならない。ある種、対戦型のプロスポーツのような、絶妙な駆け引き具合がゲームの進行とともに高度化していって、自然体にプレイヤーにそれを強制するのだ。

『勝てねぇ…畜生!けど、もう一回…』というリプレイ性

高難易度でクオリティ高し。やってみて『勝てねえ…畜生!けど、もう一回…』って感じで諦めがなかなかつかない。この意味で、いわばエンタメとしての一回性があるんだけど、それでいてローグライトでもないしローグライクでもないRPGに仕上がっているんだ。つまりローグライト”っぽい”RPGになっていて、この点ではストーリ―面で追随を許さないほどの個性的な出来になってる。

ローグライトっぽいRPGという新ジャンル

想像してみてくれよ。ローグライトっぽいRPGって、なんぞ、いかにも作り込むのむずいと思わない?でもこれ「オクトパストラベラーⅡ」では完成体としてこの世に出てんだよね、マジで。だから本作はオリジナルなシステマチックなタイトルになってる。いわば、新しいジャンルをシステム面で打ち立てちゃったわけよ。ストーリーはどう頑張ってもこれ無理よ、システムと比べて完全なオリジナルを追及することは。だってもう話は大方決まっちゃってんだもん。でもね、システムはマジでこれまで見たことのないゲームに仕上がってる。だから、新しいジャンルのゲームといっても過言ではないです。