ゲーム「ケチャップandマヨネーズ」(公式サイト)を表するには、一言で済む。ずばり本作は『革新的』である。あたしもはじめは『ケチャマヨ?なんかピンとこないね…』と早急に結論付けていた。だが、そりゃ早とちりだ。よくあるゲーム、よくあるRPGツクールっぽいゲーム…そんな風に断定していた時期がかつてあたしにもあった。だが、それは大・大・大間違いだ。もう一度言っておこう、本作は『革新的』である。
RPGっていうとやはり導入部がかなり重要。なんつったって、そこからゲームの走り書き・プロットの大筋・そのタイトルへの没入感は決まってしまうわけで…んで、本作の場合、ケチャップとマヨネーズ(ケチャマヨ)という”二人組”/ダブルピースがうまくRPGの枠の中んはまっておる。ふたりのノリツッコミからスタートし、冒頭から繰り広げられる彼らの魅力を存分に引き出すプロットの敷き方はホンマ素晴らしい。
簡単にそのプロットの冒頭を紹介するとこうなる。ある日空から卵が降ってきて、そこから孵化するかたちで、天使(?)と悪魔(?)のようなキャラクターが唐突に登場。天使の方は、原住地に戻る方法を手伝ってほしい、とこの”ケチャマヨ二人組”に持ち掛ける。次に悪魔の方は、座標変換の術でケチャマヨ二人の家を奪ってしまう。悪魔は言う、ケチャマヨの住む家を元に戻してほしければ『いろいろとブツ集めてこいや』と。そこから、二人ん大冒険が始まる。導入部はこれだけ。だが、RPGで重要な起承転結の部分、特にプロットが”起きる部分”がかなりうまく表現されてる。キャラクターの魅力を存分に引き出す素晴らしい導入部に仕上がっているよね。ゲーム内のケチャマヨに素直に感情移入でき、想像力かきたてる簡潔な工夫が折り込まれている。ここから彼ら”ケチャマヨの劇場”がスタートするわけだね。
立ちはだかる敵は個性的、みんな魅力んあふれていて、それぞれのバックグラウンドに奇妙にも惹かれる。いわゆる”ゆるキャラ”の本来持つ緩い部分・それと相対するようなキャラクターの性格のカッキとしているしっかりとした部分、それぞれがメリハリついていて、見ていて面白い。なによりもデザインがホンマ素晴らしいね。動物あしらったものが多いみたいで、キャラクターデザインの面で多様で魅力的な点にあふれてる。だから、敵味方問わず親近感をごく自然と持てる仕様。これについてはグラフィックスの項でさらに語ってみる(後述)。
…と、その前に戦闘システムの解説も入れておこう。