ゆっくりサッカーチャンネル『小国に過ぎないベルギーはなぜ世界一のサッカー国なのか?』を語る | ゲヲログ2.0

ゆっくりサッカーチャンネル『小国に過ぎないベルギーはなぜ世界一のサッカー国なのか?』を語る



サッカー系YouTubeチャンネルゆっくりサッカーチャンネルが、投稿動画【ゆっくり解説】小国がなぜ世界一位!?ベルギー代表の秘密【サッカー】にて、『小国に過ぎないベルギーはなぜ世界一のサッカー国なのか?』という疑問を詳説している。同動画は、2022年1月25日投稿されたもの。動画内では、まずサッカーベルギー代表の歩み、特にFIFA世界ランキング一位に上り詰めるまでの経緯をおさらいしたうえ、サッカーベルギー代表はなぜ強いのか、ということの理由を三点に絞って要点解説している。この三点をまとめると大概このようになる。


①多民族主義の融和

ベルギーは周辺諸国に欧州の強豪国に囲まれるほか、政治的にも多民族が同居している国である。オランダ系フラマン人・フランス系ワロン人…長くその対立が政治的にも続いた、という。これは同国サッカー代表においても同じであり、チーム内の民族間対立が代表の弱体化により拍車をかけていた歴史がある。しかしながら、こうした民族対立に危機感を募らせた代表バックアップ陣が、融和策を積極的にとった。さらには、その反省の中で合理的サッカーデータ処理の先駆的な成果を上げたことも特記せねばならない。例えば、こうした各国の試合データ解析により、オランダベースのサッカーにフランスの個性的サッカースタイルを合体させることを目標に掲げた。この試みが成功したので強くなった,,,というわけだ。

②移民の積極的な受け入れ

ベルギーは移民を積極的に受け入れている国である。移民、特に身体能力に優れたアフリカ系移民を積極的に受け入れ、英才教育を施すプログラムを策定、移民系ベルギー人がチームに多数入ることで、民族融和もさらに進み、文化的な融和が生まれ、スポーツの領域でも顕著な成果を上げることができるようになってきた、という。特にベルギーのサッカーリーグは海外選手の参戦に対する規制が他国のリーグと比べて極端に少ないため、ハングリーな選手を多く抱えらえる,,,というわけだ。

③スカウティングの成功

ベルギーは欧州の要所と言われるほど、交通的立地が良いので海外からスカウターが多く来るという。また、ベルギーは近年国内のステップアップ教育がうまく機能するようになっており、国内出身の選手を海外リーグに送り込み、将来有望な選手を多く見つけることができる諸条件に恵まれている、という。実際、ベルギー代表の選手を見ると、国外の強豪リーグでプレイする選手によって構成されており、むしろ国内リーグでプレイする代表選手はごくわずかだ、という。システムと立地条件を上手く活かしたことで強くなった,,,というわけだ。


確かにベルギーはサッカーが強い国だ。だが、同動画内終盤で言及されているように、ベルギーは現在、キャリア中盤の選手が多く、若手へのバトンパスの時期・過渡期に今ちょうどある。そのため、世界随一のサッカー国に上り詰めたベルギーも衰えが見え始めている、と言及されている。これは当たっている指摘だろう。

しかも、今のサッカーベルギー代表は『10年に一度の天才と呼ばれる人材が多く出すぎてしまった』と評されることが特段多い。サッカー素人のあたしでも知っている、デブルイネ・ルカク・アザール・クルトワといった選手は、まさにそうした天才的な能力を持つタレント選手だろう。ベルギー代表が顕著な戦績を国際戦で残せないのは、むしろそうした天才が多すぎるが故機能不全を起こしているからだ、と考えるサッカー識者は多い。また、ベルギーサッカー界の先駆的な試みは、各国の強化チームも追々積極的にやってくるようになっている(もちろん、サッカー日本代表もそうした強化策の真っただ中にある)。

W杯にてアジア枠からの参加国がべスト16に3か国(オーストラリア・日本・韓国)も残った現状を見ると、今後のナショナルサッカー界の勢力図は、その戦術構成の巧劣も含め、極めて見えずらい状況にあると言えるのではないだろうか。