先日、TD系のシミュレーションゲームに苦言を呈したのですが、ではどうしたらこうしたシミュ系のゲームジャンル、もといそもそものゲームというものに対して、最適解が見つかりにくいように設計を行えるのか、ということを論じてみます。答えは簡単です。『多様性と分散および独立』です。
これはまず第一に挙げられることでしょう。いくつものルートどりを用意することで、Pに最適解の在り方を発見させにくくする。この時、間違えてはならないのが、ただ単に複数のルートを用意すればいいというわけではないということです。複数のルートにまつわる概念が自立し独立性を保ちつつ、結果的に他の概念との調和性も持つ、これはつまり、調和性を持ちながらも、自立・独立して考えられるような概念を複数個実装する、ということです。このアイデアはP2Pの網の目の着想に似ています。中央処理機構がないのに、全体としてはハーモナイズしながら計算処理をしている、ということですね。この事例で実装されているゲームの例が「クロノアーク」でしょう。
次に挙げられるのが、クリアの概念を多様化するということです。この代表格がいわずもがな「Hearts of Iron」シリーズで、明確なクリア条件がないゲームのことですね。クリアの概念を多様化させることができれば、クリアまでの道筋(ルートどり)どころか、着地点が違うわけですから、その着陸する目的地が複数に分岐します。例えば、クリアのエンドにBエンドやGエンドを用意する(事例:「リトルバスターズ!」)。クリア時にヤリコミ度を評価するなどの手法が具体的に挙げられるでしょう(事例:「バイオハザード」シリーズ)。Pの技量に評価値を加えれば、多段的に何回も高評価クリアを目指させることができる。するとなると、周回プレイ性に優れているタイトルが出せます。当然、最適解の在り方にアンチテーゼをもたらせるわけです。パラドゲーにはそうした傾向があることは、皆さんもご存じだと思います(事例:「ステラリス」)。ただ、あまりにクリアの目標となる面が薄すぎると、ゲームの目的を見失いがちなので注意されたいところです。
※画像:ゲーム「ケチャップ&マヨネーズ」(Steam)より引用.