確かに面白い「クイーンズ・ギャンビット」(ネタバレに・気を付けながら・書くレビュー) | ゲヲログ2.0

確かに面白い「クイーンズ・ギャンビット」(ネタバレに・気を付けながら・書くレビュー)

確かに「クイーンズ・ギャンビット」は面白いです。ストーリーのプロットはWikipediaとか、舞台裏の動画がネトフリで配信されているので見ればわかります。ここでネタバレに気を付けながら簡単に書くと、『幼少期から少年期にチェスの才能を開花させた少女が若者になり、チェスの大会を側面に成長していき、その後何を発見するのか?』というだけのことが描かれているドラマです。どちらかといえば、7話もあるのにもかかわらず、ミニドラマみたいな印象が強く、そのスピード展開は異常なほど早いです。『あっという間に見終わっちゃう』のでネトフリに無料テスト加入して、見てみればいいと思います。あたしは、NHKのニュース番組で”本作をきっかけにして欧米でチェスが再び流行っていること”、同じようにして”斜陽のチェス工場に後継者が見つかり事業も盛り返したこと”、というリアルな情報が放送されているのをみて、すごく影響力が強い番組だなぁとだけ思い、あとは本作のことは放置してたんですけど、今見るべきネトフリのナンバーワンにランクするべき傑作だと思いました。世間での評価がそうなように、数年に一作の傑作ですね。

全編を通じて、場面場面の切り替え方がすごくいい。メリハリつけられていて、スターウォーズのように移り変わりが極めて明確なんすよ。だから抑揚がストーリーを演出しているようなもんで、『あっという間に見終わっちゃう』というのはこういうことだなと思います。例えば、(SWに例えるのは不適切かもしれないが…💦)SWだとそれはワイプの技術が使われていたり、シーンシーンのカットだったりする。これが本作でも意図してはいないんだろうけど、そういったワイプとかの技術使わずして明確に切り貼りされた場面場面が色濃く表に出るので『ここでこの話はひと段落してるね』という納得のいく毎回毎話なんですね。下品なシーンもあるかもしれないがw、本質的に下品ではない。むしろ上品な感覚を多く抱かせる切り貼り方です。ドラマの展開に理解が深いからこそできる、制作技術が凝らされているものだと思います。

んで、それだけじゃ説明はたりないよね。それ以外の点も記しておこう。このドラマは、短絡的にクッキリ人物関係を描くことで、シーンごとのメリハリが効いてるところを巧みかつ単純にサポートしている。というのも、人物像がはっきりしてて、だれがどういう展開でどうこうになり、どなたが(例えばベスが)どういった心境になったか、理解しやすくてまったく衒学的ではないんです。黒人の友人がいたり、その友達がチェス活動を支援してくれたり…そういったシーンシーンの周囲に存在している人物が極めて短直に配置されてて、わかりやすいことこの上ないです。そう、『わかりやすい』この一言に本作の本質は尽きていると思います。ベスもどちらかといえば単刀直入な性格だし、人間味が単純なわりきりかたなんですね。それはベスだけじゃなくて、他の登場人物もそう。不平不満ははっきり言うし、人物像にほぼ曖昧なところがないんです。だからこそ『わかりやすい』。だからこそコンパクトにまとまりながらも、ある種芸術的に『面白い』わけです。そりゃベスを主演したアニャ・テイラー=ジョイの評価もしっかりと基盤が固まるわねー…他、”舞台裏”のほうを見れば、ウィッグとかの使い方も制作陣はそうっとう凝らしているようです。

たしかここでも、”ネトフリABテストとかしっかりやってんの?”っていう意見書きましたけど、あんまりそういう『最適化』には興味がないのかもしれないとも思われる映像作品でした。本編の面白さと、ある程度いい意味での手軽な感じが、小さきそれぞれのストーリーにエッセンスみたいに詰まってるんで、ネトフリはこの路線でいいのかも…そういう戦略なのかも(というか新聞のインタビュー欄で社長が『手軽に見れるサブスクを目指したい』と事実そういってたw)…とまで思わされて、別面をカットして見てみると、みょうちきりんな納得のいくドラマだなぁとも思います。そういう意味で、本作「クリーンズギャンビット」はドラマ7話すべてにわたりチェスのゲーム展開を巡る話名がついてますけど、それが象徴するような展開性を、芸術作品としても、あるいはネトフリのビジネスのマネジメンターとしても、”演出”するのに優れているものだなぁと率直に思わされました次第です。日本ではあまりメジャーにならないネトフリ、あえてのだからこそですが…はっきり言いましょう。見てない方は損してます。あの最終話”エンドゲーム”には独特の元気さももらえるよね!

本作、小説が原作であると聞きます。あたしも買って読んでみようと思わされたドラマ映像作品だなと思いました。最近になって原作小説の邦訳版が出て、読めるようになりました。冒頭のがそれです。活字を久々に熱入れて読もうと思います!