あたし思うに、UBIって完成品のクオリティに差が出すぎよね。まず良い点から挙げる。
例えば、「Rainbow Six Siege」はシングルがなくてもe-Sportsタイトルとして完全に怪物級のゲームになって化けたし、「For Honor」も結果的にバランス良くなってきて化けた。「Watch Dogs」も1の評価は微妙だったけど2になってタクティカルステルスの要素が高く評価され化けた。「Ghost Recon」シリーズもオンラインを主としてかなり面白いTPSになってる。「Trackmania」シリーズもなんだかんだいって強いIPのうちの一つで、カリカリ軽快なレースゲーになっている。「Splinter Cell」だってリブートされるんだろ?あれは実際メタルギアに並んで遜色のない、欧米を代表する傑作タクティカルステルスアクションゲームになってる。復帰作が待ち遠しってモンだ。一方でこの会社の作るゲームには批判も大きいんだ。その象徴が「Far Cry」シリーズに表れてるとあたしは思う。
「Far Cry」ってもともと地味でも堅実な感覚が残るFPSだったやん?それが進化していろんな時代いっていろんな世界観で語られて…風呂敷広げるのはうまいんだよこのIPは。だけれどもゲームの進行方法・基本的なFPSとしての設計思想が似通っちゃってんだ。結論から言えば、このゲーム、進行方法が決まってて、いわば「FPSにしてハックアンドスラッシュ」になってるのが一番の欠点だと思う。思うにプレイヤーに自由度があまりない。
例えば、武器を使って、爆薬とかを誘爆させたり、ビークルを使って相手の陣地を走破したり、スナイプしたりはできるよね。でも、基本的にタスクをこなして既存の一本線に伴ってクエストを進行させていくっていうRPG性が昨今このIPは強くなっちまってんだ。つまるところ、自由度が与えられているように思えて、進行方向は実は一本線のFPSなわけよ。だから「Far Cry」はタスク達成・クエストクリア型の条件式に伴って、ゲームを進行させることしかできない。だからこのIPはFPSなのにダメなんだよ。FPSっていうとフツーはRTA除けば、クリアまでにいろんなこと試せて、感動があったり、ストーリーの語り口の面でも画期的なブツだったはずじゃん。ある種のトトカルチョみたいな予測とレスポンスへの感動…そういうのがまったくないんだよUBIの作るFPSには。だからこそシージはオンライン専用タイトルになって従来から期待されてたシングルはわざとまったく実装しなかったんだと思うよ。もうUBIにはシングルFPSを作る自力がないんだ…
たしかに、これはUBIだけの悪い点じゃない。むしろ彼らはシージにもみられるように工夫して、e-Sportsにシフトしていったり、その一環で別ジャンルだけど、スマブラ系格ゲー「Brawlhalla」をプッシュしたりいろいろやってくれてる。特にシングルFPSはもう傑作がどの会社からも出てこないっていう説も根強いわけだ。UBIに責任があるわけじゃないけど、でもでも、「Far Cry」のリリースラッシュには苦言を呈さざるを得ない。それは「Far Cry」シリーズが前述したように、”一本道”の単なるRPGFPSになってるから。次のエントリでは、今後今年のQ2~Q4までにリリースされる革命的なインディータイトルの紹介をやるけど、UBIにはそういうチャレンジ精神をもう一度持ってほしいってもんだよね。
つい先日まで、ゲームの開発費は高騰してインディーメーカはもうゲームを次世代機ではリリースできないっていう説も根強かった。だけれども、結果的にはそうじゃならなかった。いろんな斬新な実装方法で工夫して個性的なタイトルが強く色濃く出てるのが知ってのとおりの現状。Unreal EngineやUnityの登場で革命的なゲームがインディーメーカから出るようになった。リスクをあまりテイクせず、いろんな色彩を持つACT系のゲームが作れるようになったんだ。UBIにはそういった『小デヴェロッパ―』の思想をもう一度思い出してほしいんだ。個人的には「Far Cry」の”シリーズ化”を通じて凋落しちゃった点をケア・カバーリングしてほしいんだよ。そうすればUBIはシージの大成功に続いてシングルプレイのIPにおいても”完全復活”を遂げてくれるって、そう強く期待してるよ…