NHKによるゲーム特集番組「ゲームゲノム」は中立的な見識が欠落している”NHKらしさ”のない番組である | ゲヲログ2.0

NHKによるゲーム特集番組「ゲームゲノム」は中立的な見識が欠落している”NHKらしさ”のない番組である



NHKが流行りのデジタルゲームを特集するゲーム関連番組、という意で「ゲームゲノム」に期待する声はでかかった。初めに言っておくけど、今回は苦言を呈します(ぶっちゃけ、酷評します)。まずは、番組で取り上げた各ゲームタイトルをちょっと再確認してみよう。

デススト☞ワンダ&トリコ☞ペルソナ5☞逆転裁判☞ダクソ☞バイオ☞ロマサガ2☞ライフイズストレンジ☞サクナヒメ☞This War of Mine☞TOKYO JUNGLE&Stray☞FF14☞SF☞風ノ旅ビト☞ムシキング&ラブandベリー☞It Takes Two☞パワプロ☞ニーアオートマタ☞シティーズスカイライン☚イマココ!!

まず、Steam発のゲームを取り上げているところは素晴らしいと思う。また、CS機発のゲームを取り上げているところも素晴らしいと思う。けれども内容が伴っていないという声はでかい。これは批判(非難とは違う)として大概妥当だと思う。ネット掲示板とかXを見てる限りだけでも想定できることだよな、ってあたしも思う。大体こういうのって見てはいけない系か傑作系かどうかでわかるだろっていうwそして残念ながら、この番組は前者に属するものだということ。これはやはり客観的な事実だと思う。その理由とは何だろうか?三つほど考えてみた。


理由その①名作とされるゲームやゲームのいいところだけを取り上げすぎる

端的に言うと「ゲームゲノム」っていう番組は、ゲーム史における名作だとか、ゲームのいいところしか取り上げていない。ゲームはこういういいところがあって&このゲームはこういうところが良くて…っていう当たり前の業界の手前みそがNHKによって代弁されているだけ、それだけのゲーム賞賛番組になっているっていう問題点。これはあまりにネガティブな要素としてでかすぎる…NHKって公平中立公正っていう名目があるやん?でもね、忖度番組になっているだけなんだよね。売り上げた名作を取り上げて、その理由はこれこれこういうメカニズムなんですよ、という深い領域まで切り込んでいない。これね、見てて見続けること無理です☆だって忖度されすぎてんだもん。ゲームの悪いところ、とか、ここはこうしたほうがいい、っていう今後につながるような改善点をあまりに取り上げなさすぎ。ゲームのいいところがあるとすれば、当然ゲームの悪いところにも目が行くのが自然なのにそこまで論点が発展的に称揚されていないんだよね。

理由その②ゲストやMCの見識が限られすぎている

例えば、ダクソの回なんかは、このゲームに出会ったからこそあきらめない姿勢が人生で発見できたんですよ、というMC特有の見識にとらわれすぎている。これではゲーム批評の中立性に寄与してない。ダクソの悪いところ、あるいはフロムの悪いところを取り上げていないんだ。例えば、フロムは同じエンジンで使いまわしているような印象がダクソ系のIPではよく批判として取り上げられることが多い。その点で、フロムは批判されることが多いのは事実だと思うんだ。だけれども、こんな典型的なフロムゲーに対する批判も番組内ではあまりMCは深堀していない。繰り返すけど、NHKが中立を標榜するのならば、ゲームの悪いところ、エンジン自体の持つ悪いところ、だとか、シリーズの悪いところっていうところにまで見識が侵食してないと駄目なはずなんだ。そこが欠如してる。

理由その③ゲームの社会性に番組内容の指摘が及んでいない

例えば、あたしは「ゲーム脳」ってのは間違っていると思うけど、”全部が全部ゲームには悪い影響がない”、とは全く思わない。そこんところにまで見識が込み入っていないと、NHKらしさのある中立な立ちどころがないじゃん?例えば、「ゲーム脳」はここが理論的に間違ってんですよ、っていうだけでも取り上げりゃいいじゃん?そういうところがこの番組にはあまりにない。てか全くない。つまり、ゲームのいいところを取り上げる、だけで、悪いところを取り上げない、どころか、ゲームの社会性にまで番組の内容が及んでいないんだよね。ゲームと社会、つまり、ゲーミフィケーションという名目にすら、まったく内容がついていっていない。ゲームのことを取り上げるのであれば、真正面から、ゲームの持つ社会性・ゲームと社会の繋がりうるところすべてを解剖するという姿勢がジャーナリスティックに求められるのに、そういう観点が欠如している。てか、ぶっちゃけまったくない。


このように、手厳しいことを言うが、「ゲームゲノム」という番組を標榜する割に単なるゲーム紹介番組になっている。ネット※の中には、同じNHKの番組でも「球辞苑」のようなふかーいところを突いた番組になっていないっていう(ような)意見がある。”DNA(デオキシリボ核酸)”という遺伝的な名目を番組名に冠している割に、そういうところ(批判すべき点を批判する勇気)が全くないっていう批判がでかい。見識の深いところを突いた内容が求められているのに、そこが欠落してる。ディレクターはNHKに属している、ゲーム好きの相当のインテリなんだろうと推察するが、だからこそ、もっともっとゲームに対して中立的な立場からまず真摯にゲームに向き合うことが求められていると思う。

※ちなみに蛇足で言っておくけど、あたしはNHKが好きでファンだ。不祥事があってもそれでも好きなんだよ(ぶっちゃけNHK>>>超えられない壁>>>民放だと思ってるw)。だからこそ言わせてもらう。もっと中立的であってください…だってそれが、それだけが、『NHKである』ということなんだから。