記事の要約:ゲーム「OPUS 星歌の響き」はテーマ性・うまいこと取り込んだACT性・さらに、音響性の三点の、それぞれどれもが絶賛されるべき出来である。多くの人がプレイ後、感動するだろう。多くのゲーマに、ゲームのあるべき形を別な側面から提示することに成功している。
『見て、リバク。この光って、まるで花が散っていく様じゃない?』
-エイダ
確かにSIGONOによる最新作「OPUS 星歌の響き -Full Bloom Edition-」は素晴らしい出来のADVです。皆が絶賛するように、ここ数年のADVタイトルの中で最も魅力的で、最も儚く、最も小奇麗で美しいタイトルです。なぜそうなのか?ということをネタバレなしで書こうと思いました次第です。
宇宙探索というSF的なアイデア・宇宙に抱く虚無で雄大な心を、個人個人の心量の動機づけでごく自然体に描きあげている。ふつーSFとファンタジーとかってあんまり…こう…合わないじゃないっすか。でもキャラクターを3Dで書いたり、服装とか背後にある世界設定を巧妙に組み合わせて、創造性の原物である、宇宙のイメージその雄大さと登場するキャラクターの小奇麗さをうまく工夫・両立させ、ごく自然体に矛盾ないようにADVを作り込んでいるのがようわかります。これはOPリバクの回想から始まるシーンで既に”持っていかれる”という表現でいいのではないでしょうか?本来ある原案と、実際のゲームプレイが乖離しているということはまったくなく、しっかりとした固定的な観点からADVタイトルを解釈できているのが素晴らしいところだと思います。ネタバレなしだとこれに尽きますね。では他の点ではどうか?
※画像:ゲーム「OPUS 星歌の響き -Full Bloom Edition-」(Steam)より引用.