バーチャル系HIPHOPガールズデュオ~KMNZ(ケモノズ)はなぜ魅力的なのか? | ゲヲログ2.0

バーチャル系HIPHOPガールズデュオ~KMNZ(ケモノズ)はなぜ魅力的なのか?



記事の要約:あえて語弊を承知で言うと、美波や尾崎ほどの音楽専業のレベルのアーティストだとは思えない。そしてKMNZにはそれとは違った魅力がある。リアルとバーチャルの狭間に揺れ動くファンの心をとらえて離さないデザイン力がある。これがKMNZの持つ第六の魅力:デザイン/ビジュアル的な魅力である。

ミュージックアーティストに求められる5大要素

これって説明するの相当難しいと思うんですよ。例えば、同じYouTuber系音楽家でも美波の魅力を説明するのは、実はとても簡単なんだと思うんです。そもそも、ミュージックアーティストの魅力を紐解くのはすごく簡単ですよ。chatGPTが往々にしてそういうように、次の5点に要点は絞られます。

①歌詞の持つ魅力:人々の持つ感情やその起伏に共感されるような歌詞を作る必要がある.

②曲の持つ魅力:メロディそのものが人々に訴えかけるような普遍的な魅力を持つ必要がある.

③アーティストの表現力:表現が多様であると没入感を生み出し共感を持続させることができる.

④音楽のテーマ性:音楽の全体的なテーマに普遍性があるからこそ共感を生むことができる.

⑤ファンとの関係性:ファンとの距離感を絶妙に保ち関係が良い状態を持続させる必要がある.

尾崎豊や美波らはこの5大要素に魅力がある

これらの5つの要点ってのは美波が尾崎豊に影響を受けたっていうのと筋が通ってますよね。①尾崎の曲同様、美波の曲にも歌詞に感情がこもっている。心の叫びのようなものがありますよね。②曲自体の持つ編成も魅力的で多くの人々に訴えかけるものがあるのだって両者に該当します。③もちろん美波だって尾崎だってアーティスト自体の持っている表現力が異様なまでに深い。歌い方にそれが表れていて、単にライブ音源を聴いて、それがCD音源だけで飲み込める内容以上のものを持っている。美波の場合は海外からの評価も高い、純粋に日本語で歌っているのにもかかわらず。④音楽のテーマ性、というのは歌詞・曲とは別に全体的なもののことを指してます。この点でも単なる愛を語っただけの極めて単純な普遍性頼みに依ることなく、多様でテーマに普遍性がある。例えば、実存や生死の問題や倫理性までも感じさせる音楽によって全体主義的な構成が出来ている。⑤ファンとの距離感もまた重要です。尾崎の場合は天才すぎたので、そこらに齟齬があったように思う。むしろそこが尾崎の特異な凄さな気がします。

ではKMNZの場合はどうなのか?

ではKMNZにこれらの要素があるのか?というと単にそうは言えないと思う。①②はそうかもしれないが、③表現力が多様だとはいまいち言えないと思う。どっちかっていうとヒップホップ&ガールズデュオというポップさで表現力の穴をカバーリングして売っている感があるわけであって、ホンマの表現力としては多様ならず単一に近い。④はどうか?これも③に似ていて、KMNZの場合テーマも多様的で普遍的過ぎるとまでは言えないと思う。どちらかというとバーチャルアイドルに近く、抜群の歌唱力でで推すタイプでもない。⑤はまさにそう。ファンとの関係性に親和性が高いものがある。加えて、KMNZの場合、ビジュアル的な魅力という第⑥の要素があると思うんですよ。

KMNZの持つ第6の要素:デザイン力とは何か?

例えば、KMNZのデザインを見ると分かる通り、猫耳のキャラが歌い手にあしらわれていて、それが現実的かのように観衆ファンに接しているのがわかる。でもそれは、あくまでイメージであって、他のVTuberと同じように、100パーバーチャルなアイドルなのかというとそうでもない(ただしバーチャルアイドルに近い)。アイドルには近いが、アーティストでもある。だが美波や尾崎ほどの音楽専業のレベルのアーティストだとは思えない。違った魅力があるわけです。例えば、それを最大限活用するために、リーボックとコラボしたり、ファンサに熱心であることは一目でわかるんですよ。つまりリアルとバーチャルの狭間に揺れ動くファンの心をとらえて離さないデザイン力がある。これがここで言っている⑥デザイン/ビジュアル的な魅力です。最近はYouTube登録者が20万人を突破して、pixivのファンボックス経由のファンクラブを廃止して、YouTubeメンバーシップに乗り換えたじゃないですか。この辺りもデザイン力・ビジュアル力に近い。つまり、人気なアーティストとしての売り込み・マーケティング面で優れていて、どっちかっつと曲を多め作る量産型に近い。そして多くにはずれはなく、曲自体の持つ魅力という意味でなく、曲と曲の持つ間にあるテンポ感に優れている。全体主義的にデザインが出来ている、これがKMNZの魅力じゃあないでしょうか。

<了>