要求specが極めて小さく、珍しいゲームメカニズムである近接攻撃システムを積極的に採用している、特異なFPS「Dad by the Sword」、そのリリースがSteamで今年6/16に迫ってきている。「Dad by the Sword」はゴア系の側面を持つFPSであり、特徴的過ぎるがゆえ、その動向は国内のゲームメディアでもゲムスパぐらいしか伝えていない(関連リンク)。ハショって伝えると『ネタ的なストーリーラインを持つ特色豊かなFPS』とゲムスパは「Dad by the Sword」について伝えている。
繰り返すようにこのゲームは、ゴア要素を多分に含むようで、シンプルで貧弱な3Dデザインがむしろ良点として目に付く、凡庸でない特徴的な一作になっているとあたしも思う。トレイラーを見ればわかるように、剣でワッシャワッシャと敵を叩き切っていくと、そのヒットの具合に伴って、手足だけでなく頭も含め、苛烈な”部位欠損”が頻繁に起こるようになっている。なんでも、Steamページによれば、アンチダッドを切り刻むFPS「Dad by the Sword」のゲーム性は『”It’s Dark Messiah meets Skyward Sword meets your dad meets Spelunky”と某ゲーム関係者に評された』と確かにある(関連リンク)。スペランキーは周知のとおり有名なローグライクACTゲームだが、ダークメサイア?ってマイト&マジックシリーズの一作のことを言っているのだろうか?またスカイウォードソードはゼルダシリーズの一作のことを言っているのだろうか?この辺りは感覚的なレビューになっているのでいまいちピンと来ない。なんとなく言おうとしていることは分からんでもないが,,,
近接攻撃系FPS…というとダンジョンクロウル系の3Dゲームが思いつくかたも多いはず。例えば、「One More Dungeon 2」は先だって発売された良作だ。他にも、”拳で戦うFPS”こと、良い意味で迷作だった「Zeno Clash」もある(その系譜に属する「Clash: Artifacts of Chaos」―こちらはTPSだが―もまた先日発売されたばかりだ)。単にFPS、と呼称する場合はBFシリーズやCoDシリーズに代表されるように、銃を扱ったシューターとしての側面が強いため、この”定義漏れ”はしばしばありがちなのかもしれない。だが、日本語版のWikipediaを見ると、ファーストパースペクティブな視点システムにおけるキャラクターによる近接攻撃系アクションも含め、FPSと呼んでいるようなので、この辺りの定義は曖昧なトコではある(関連リンク)。
ひとつ確かなことがあるとすれば、拳や脚また剣などの武装をによる近接攻撃系を、あえてFPSのゲームシステムの中で主として組み込むことは、純粋なシューターとしてのゲームのありかたに強烈なインパクトをもたらせる、ということだ。従来からのFPSerが評するように、現代のゲーム産業ではFPSの進化自体止まったとよくよく言われる。いまや数ばかり多くあるFPSは、旧来からのゲームの代表的ジャンルであり、極めて深刻な飽和状態に陥ってしまっている。没個性的な多段的な解釈のできない”ネタなきゲーム”に落ち込んでいるわけだ。だからこそ,,,個性的でアクセントのついたアイデアで、新しいFPSの局面を打開しようとするタイトルの存在(例えば「GROUND BRANCH」もそうだが…)は頼もしい。
確かにメガヒットは望めそうにない、地味な一作だ。
だが、あたしとしても本作が奇抜な一役を担うタイトルに仕上がることを期待したいのだ。