「ファミ通」(2022年6月9日号)で”だーまえ”こと麻枝准がゲーム「ヘブンバーンズレッド」リリース100日記念インタビューに答えている。インタビューは大まかに言って制作の概要を述べたものであり、中盤に若干キャラクターの動向を挟んでいる…という形で構成されているもの。インタビューの肝はほぼほぼこの前半部に折り込まれているもので、それらをまとめてみると大体こんな感じになる。
・麻枝の最近の作風は酷評されがち. 自身も『引退しろ』と評されることが多かったと言う.
・「ヘブンバーンズレッド」は女性らがチームを組んで戦うというプロットで「艦これ」「刀剣乱舞」を目指して作られた馬場社長肝入りのタイトル.
・登場人物を多数用意したうえでのシナリオの良さが意外と評価され驚いている.
・ノベルゲームの脚本は文字量が多い. 対して今作のようなRPGはセリフ重視でいけることが功を奏した.
前半部は麻枝らしく無駄のない最低限の回答になっている。注目すべきなのは、やはり本作がノベルゲームではないことだろうか。『新しい挑戦』として「ヘブバン」は新生ヴィジュアルアーツのフラッグシップタイトルなわけだ。この前半部でとても気になったのは、麻枝自身が語るように『当時心臓の大病を患っていて手術をした』と健康状態を不安視させるような文言があること。中盤はキャラがらみの話題なのではしょってみる。後半ではどう麻枝は答えたのか?
・ストーリー以外の監修も手掛けキャラクターの魅力を損なわない様にしている.
・本作は5年間の追加シナリオ・ストックがある. 音響・作曲には相変わらずこだわりがある.
まぁだいたいこんなものか…インタビューが2022年ぐらいの時点でのことなはずなので、「ヘブバン」は後2026年~2027年ぐらいまで”シナリオはストックがある”ということになる。シナリオに対する考察が多彩であることも大概は把握しておりにはループものであるとかキャンサーが癌であるとか…そのあたりはなんとなくだが評価のスジを見ているもよう。一番最後に意気込みがあるのだけれども、麻枝はこう答える。
意気込みというか、完成させるまで生き続けなければいけないというプレッシャーがあります。何年か前は死んでもいいと思っていたのですが、最近は自分自身の命だけではないと感じています。ラストシーンを書くまでは死ねないと思っているので、ぜひそのラストシーンを見届けてほしいです。
p77より
麻枝が語るところによると、後尾について回る、ラストシーン以後もあるとのこと(ラストシーンはもう大方考えてあると、麻枝自身インタビューの中で言っているが、そのラスト以後も「ヘブバン」の展開はあるとこのインタビューの時点で明言している)。ストックが豊富な「ヘブンバーンズレッド」。日本のゲーム産業ではあまり重要とされてこなかった『長いサポート』が期待できそうな『息の長いタイトル』になりそうではある。