ゲーム業界に見るハード/ソフトグレードアップ~オーパーツ泡沫FPS『.kkrieger』に見るプロシージャルな光景 | ゲヲログ2.0

ゲーム業界に見るハード/ソフトグレードアップ~オーパーツ泡沫FPS『.kkrieger』に見るプロシージャルな光景

4Gamer.netの奥谷記者の最新の評論記事によれば、次世代機でもモジュール化が進むという(4Gamer.net:Access Accepted第703回:登場から1年。現世代機の次について思うこと)。モジュール化というのは要するにカスタム化のことだ。これは、SSDの容量をソフトウェア要求スペック分換装して上げたり、マウスやキーボードを実装対応するなど従来困難だったことをユーザベースで可能にするということであり、言ってしまえば、次世代CS機がパーソナルコンピューター(PC)に近づくということだ。この論はかねがね正しい。

あたしも学生時代、よく周りのゲーム仲間に、「ゲーム機は無くなる!」と喧伝しては誤解を生んだものだが、その真意は、「CSゲーム機のPC化が進む」という意味においてだ。奥谷記者は、「それじゃPCありゃいいじゃん!」っていう事までも記事内で言及していて、まさにそのとーりなのだ。ゲヲログ2.0でも、PS5は存在価値があるのか?・SONY実はやばいんじゃないの?・WindowsでPCのOS市場を占有しているMSの存在感が高まるのではないか?と度々述べてきた。端的に言ってCS機が必要ない時代はマジで来るだろう。当然簡単にモジュール化(カスタム化)を進めることのできるPCが普及するのは当たり前のことだ。

ハードウェアが点在するということと局所的に集中するということは、双方意味のあることである。無論、モジュール化は点在することに近しく、記事内で奥谷記者も言及するよう局所的に集中するというのはクラウド化のことを指す。点在するということはリスクの共有であり、その分散のことだ。逆にデータセンターに集中したクラウドコンピューティングはその利点を活かして、ユビキタスな環境を実現するだろうが、反面そのセンターにリスクが集中するということを意味する。となると、その集積地がセキュリティ上のマクロホールになるというリスクは限りなく上がる。その分散のために点在化・モジュール化(カスタム化)は必要なのだ。リスクは共有し分散することも重要であり、もちろん、リスクを集中させておき処理上の問題のことを優先して解決してしまうこともまた重要だ。さらに言ってしまえば、究極的には、セキュリティ上問題ある貴重なデータはどことも繋がってはいないローカル環境に落としておいたほうがなお良い。

このようにハードウェアのグレードアップに関してはもう見解の筋ほぼほぼついていると私見では思う。そして次に来るのが回帰的なソフトウェアのグレードアップである。技術革新により、ソフトウェア側でハードウェアのグレードアップに適した形を持ってくる必要があるのだ。その時、重要なのが「プロシージャル生成」だろう。学習させた機械器によって、データパターンをゲームソフトに持って来れば、単純なオートマタの応用で、無限化するそれ(パターン)を生成することができる。初期マリオゲームの設計から現代のローグライト・FPSに至るまで、この分野はこれからさらに重要になるはずだ。現段階のプロシージャル生成は初期ウルフェンシュタインからあまり進化していないが、今後はわからない。ごく自然とした整理された区画パターンにも、今後の生成機械器は対応していき、「これがプロシージャルで実現してんの?」っていう感想を抱かせる設計路ができるだろう(てか、現にできている例がある)。次の文章はWikipediaからの引用文だ。

2004年、『.kkrieger』と言うPC用ファーストパーソンシューティングゲームがドイツのデモグループからリリースされた。全てのデータがわずか96KBのMicrosoft Windows用の実行ファイル内に含まれており、実行時に数百MBの3Dおよびテクスチャデータを生成する形となる。

手続き型生成 – Wikipediaより引用

当然、今後このオーパーツである『.kkrieger』という泡沫FPSが呈した問題は強くなるだろう。これは、データを微分すれば次元が削減され、積分すれば次元は追加されていく、というニュアンスを示すことでもある。ハード要求に伴いソフト要求も変容させる時代がすぐそこまで来ている。2Dでできたゲームを3D化するという事例も生成機械器によって為されるとあたしは思う。もちろんいいことだけではない。現に、似た試みは『Risk of Rain 2』で部分的に成功したが、開発情報が停滞している『Momodora Ⅴ』という事例もある。今後PGの価値はソフト技術の革新によって低減して変わってしまうかもしれないが、その設計上の恩恵も無論あるはずだ。「これ3D化したら売れんじゃね?」っていうアイデアはごく当然のようにある。実際、ポストモダンな機械的処理によってそれは”その通りになる”のだ。