”動きのある表情”…と単にいっても象徴的な話だ。小奇麗にまとまったグラフィック・サンジェルマン伯爵との良く出来たかけあい・イカサマの暗記シーン・そして、なんといっても騙しの世界で生きる自分が主人公になるワクワク感…『子供には見せられないような』ショッキングなゲーム体験ができる、そうした中で体現できる感覚なのだ。トランプカードの世界は騙しの世界…少なくともこのゲームに限って言えばそれがすべてである。”知識の悪用”、このゲームの場合、カードというツールはそれのみに駆使される道具に過ぎない。
賭け事をしかけながらも悪行を生業にするだけに、常に危険と隣り合わせである。そして、それが人間の善悪というコントラストに照らされて表現されるので、(繰り返すように…)アドベンチャーゲームに属するのに、そのまったり感がほぼ無きものである。「Myst」などのようにADVゆえのADVたるゲームではない。つまり、動きに敏感で、あるひとつの小説の世界を紐解くようにストーリが進むので、飽きの来ない工夫にあふれているのだ。
さて、騙しの物語の行方はどうなるのだろうか?発売日6/2には有力なストリーマの配信があることは間違いないだろう。それぐらいゲーム実況にも適しているタイトルになっている。IGFのアワードを多数とっているだけある、革新的な試みのあるゲームに仕上がった一作だ!
※画像:ゲーム「Card Shark」より引用.