『Clubhouse』は「人類の改革者」である | ゲヲログ2.0

『Clubhouse』は「人類の改革者」である

大げさに書いたが、たしかに音声SNS『Clubhouse』の着眼点は面白い。思うにSNSというものは文字・画像・動画と取り扱うディメンジョンを変容させ、次第にその次元数を上げることで成り立ってきた。イノベーションはその次元の次数が上がるとともに、エンタプレナーに巨万の富を築き上げてきたのだ。文字の次に、画像(静止画)、その次に動画、最終的には音声と取り扱う我々の感覚に沿ってSNSは発展してきた。これが音声SNS『Clubhouse』の到達地点だ。我々の感覚器に訴える要素を増やしていっただけで、なにも新しいことをやったわけではない。その後ろめたさはCEOの「急拡大は望まない」という発言に表れているではないか。

同社CEOのポールは上記の対応方針について、日本は同社にとって非常に重要な市場である事を明かし「会社の成長が早急過ぎるとサービスを壊す恐れを抱いてる」事を懸念しており、「自分達の目標は急進的にフォロワーやファボ(いいね、Like)を増やす事よりも人間らしい繋がりの形成や会話をしていた時間感覚を爽快に感じて欲しい」と意向を示し、同懇談会に参加していたゲストスピーカーであった尾原はポールやローハンはClubhouse内で会話する人間の心理的安全性を気遣っており、その思考がクリエイティブな人をより保ってることが理解出来き、9月時点でも文化が熟成がしてる状況が年末迄の収益化が進めばさらに進む事を期待してると意向を示した。

Clubhouse (アプリケーション) – Wikipediaより

これは実は株式市場でも同じことだ。金融分野は投資のディメンジョンを上げることで成り立ってきた。まずは、時系列データ・統計学、そしてそれをファイナンスにした結果、偏微分方程式が導出された(ブラック=ショールズ方程式)。その次、テキスト器による学習が重要とされている。次は静止画による解析が来るだろう。例えば、GEは株式市場の人々の表情から株価を予測するというアイデアを実装している段階にある。では、この試みの次に来るのは何だろう?当然、広範な意味において、市場に住む人々の動画データを取り扱うようになるはずだ。そして、『Clubhouse』のように、市場の人々の声も教師データに入れてくるだろう。マイニングの対象がテキストだけではなくなる時はそう遠い時代ではない。人間の感覚に及ぼす影響性のあるものは、なんでもマイニングの対象になりうるのだ。

『Clubhouse』はそうした人間の感覚をネットにつないでいった山頂にあるSNSである。その先に待つ、ポスト『Clubhouse』にあるSNSは、感覚器を拡張を前提としたものだ。つまりBMIやBCIといった技術が今後のSNSの中核になるだろう。無論、その前にハードウェアの普及は必要だ。つまり、ハード⇒ソフトの順に実装せねばポストSNSとしては成り立たないのは当然であるから、まず、人間の感覚器をハードで増強してから、ソフトである新規SNSに繋がる必要がある。ただし、既に存在するVRなどはこの事例に洩れず適応している事例である。だからこそ、「VRはいらない」と主張するユーザは将来の先見性の念がないのだ。

とにもかくにも人類の消費系が単一化することは既存の資本主義世界ではありえず、我々の経済活動の基盤にイノベーションがあるのであれば、VRはその鏑矢になっているハードであることに間違いない。『Clubhouse』が提唱する、先見あるSNSとは、次の時代、VRなど感覚器の増強のためのハードと連携した専門分野になるだろう。既にNextVRとして、Valveは脳派によるゲーミングSNSを提唱し始めているように思える。

もしハードによる感覚器増強の策が無くなってしまえば、経済的なイノベーションは止まり、かつてシュンペーターが提唱したように・サッチャーがその先見を恐れたように、社会制度は共産主義的になり、同時に資本主義的な世界は崩壊しているはずだ(ただし、その時には資本主義的な世界自体こそが不必要とされている可能性は高い—それは、それが、不必要とされる時代—のことである)。

つまるところ、『Clubhouse』は人類というガジェットの改革者である可能性すらあるのだ。

※アイキャッチ画像:Wikimediaより(パブリック・ドメイン)