ゲームメディアIGNがトランプ関税とゲーム産業に関する記事を公開している。記事は3月6日に公開されたものなので大統領が外国制作の映画に対して100%関税を課す方針を表明したよりも大分前の記事となる。よってゲーム分野にもその食指が新たに及ぶのではないか?との懸念が強まっているのだ。トランプ関税のデフォルトバージョンだけでもゲーム産業は痛手を受けているとIGNはある有名なアナリストの言を踏まえ伝える。当のIGNの記事(正確に言うとIGN本家英語版の記事を参考に書かれている日本語による新記事)を見てみよう。
関税は3月4日より発動されたものでカナダ・メキシコからのほぼすべての輸入品に25%が課せられる。中国からの輸入品に20%が課せられる。IGNの記事は冒頭そう伝える。次いでこの関税の大部分の負担はサプライチェーンが主として担うものではなく消費者が担うものになるという。大型スーパーTargetや家電量販店Best Buyまた台湾のパソコン機器メーカーAcerなどの企業は「すでに今後数カ月の間に自社が販売する製品の価格が上昇することを見込むよう警告している」(IGN記事より引用)という。消費者であるゲーマーにとってトランプ関税は痛手になるというわけだ。
IGN記事は米市場調査会社Niko Partners所属のアナリストであるDaniel AhmadのBlueskyでのアナライズに基づいて書かれているものなようだ。Ahmadによれば中国製品への20%のトランプ関税はビデオゲームコンソール・スマートフォン・GPU・ノートパソコンなどのハードウェアに大きな影響を及ぼしメキシコからの輸入品に課せられる25%のトランプ関税はゲームのパッケージ版に大きな影響を及ぼすという。さらにIGN記事はその負担に危機感を表明しながらも「正直どこまで価格転嫁されるかは不透明だ」としている。各社ともに生産拠点の移転などトランプ関税の対策を積極的にしているのがその不透明さに寄与しているとAhmadはアナライズする。
彼のアナライズを真に受けた米市場調査会社Circana所属のアナリストであるMat Piscatellaはさらに別の見解をBlueskyにて述べている。彼によればゲームのパッケージ版は今後よりウマミを無くしていくという。これは既にSteamerとして重々活動してきたゲーマーならば納得のいくところで今後パッケージレスが進むのは当然故特段問題はないだろう。だがゲームハードウェアに対するインパクトはでかそうだとあたしも思う。IGNは任天堂の新型コンソール「Nintendo Switch 2」の価格は米でまだベールに包まれたまま(注:日経も伝えるように現在は価格発表済)なことも踏まえ「未だに不透明な部分・不確実性の強い部分があるもののトランプ関税の余波はでかくなりそう」と結論付けている。
※from:トランプ関税は米国におけるゲーム機、GPU、パッケージ版ソフトなどの価格にも影響を及ぼすだろうとアナリストが警告