【連載:ローグライト探訪記】「ワイルドフロスト」~惜しくも完成度は高いRLデッキビルド型カードゲーム | ゲヲログ2.0

【連載:ローグライト探訪記】「ワイルドフロスト」~惜しくも完成度は高いRLデッキビルド型カードゲーム



基本的なシステム

システムっちゅうシステムがないこともない。各カードの攻撃がターン制でやってくるちゅうこと、まずこの基礎を押さえておいてくれ。それらと並行してカードを切っていき単純に攻撃カードを行使したり既存のカードのバフやデバフをしていける…というだけのこと。ほぼ行動の基礎はこれだけで済んでる。そしてデッキがなくなったら、ベルを鳴らしてデッキ送りをする(ベルもターン制になっててベルを鳴らしたのち即カード切ることができるタイミングを推し量る必要性がある)~ぶっちゃけこれだけ。あとはサブのキャラカードは回復の場に置くことでリサイクルすることができる。大まかなゲームシステムの理解はこれだけで済んじゃう。難しいことはないです誰でも理解できるシステムです。

ゲームプレイの勘所

んで、このシステム面の魅力が理解できるかどうかってのが肝だと思うんですよ。システム的にはかなり単純なんで、ブリザードの「ハースストーン」ですら理解できなかった方でも、この「ワイルドフロスト」は容易に理解できるでしょう。総じてカードゲーヲタならば良作と判断すると思います。完成度は比較的高いほうです。例えば、デッキをローグライト式で構築していけるってのは面白いアイデアだし、クラウンとか売ってるショップの存在もローグライトの周回性よろしくのデザインになってて、『アイデアとしてはマジでスバラシイ』と思う。じゃあなぜ賛否両論なのか?という点を突き詰めていくと…欠点が見えてきます。

欠点

交絡しているノンリニアな攻略方法を突き詰めていきたいというかたにとってはけっこう残念な出来と思う方がいてもおかしくはない、ちゅうことがまず指摘できる。はじめの一歩は新鮮だけどそれ以降は…っていう声が多いのは、この辺りの理由付けだと思う。いわば、深みがないというか、ダイナミックさが足りない…ということだね。この辺りが賛否両論の最大の理由な気が致します。カードゲーで、愛嬌のあるデザインに満ち溢れているので、その点が分岐点になっていて、いかんせん緊迫感があまりない(とこのゲームへの批判者は語っている)よう感じます。また、デッキが結局のところ、バフ/デバフに徹していて、数ありき能力ありきのゲームになってしまっている。それ故に、デッキの強さもとい、全体としてのゲームバランス取りに最適な形状を保っていられていない or 継続してバランスが取れてない、ということっす。

突き詰めて考える欠点の”欠点”

デジタルカードゲームなのにゲームデザイン的な欠点があって(それを欠点としてうなづけるかどうかという”評価の分水嶺”があるようにあたしは感じた)、そこがダイナミックさの欠如に繋がってしまっている。つまり、『盤上で繰り広げられる知能戦を限界ギリギリまで楽しめるわけではない』のです。むしろ単発的なシステムの発動に運噛ませているだけだと判断する批判者もいてはおかしくない出来でもある。その上、先述したようにシステムが良くも悪くも単純すぎるので、それ故に”残数ゲー”になっていたり、”バフ/デバフありきのゲーム”になってしまっていて、本質的な爽快感に欠けると思った。だからこそ、全体・大局的なゲームデザインの良さ/悪さがクッキリしてしまっている(特に人に依っては)。

まとめ

最もこれはそういうゲームシステムを持っているデッキ構築ゲームなので、その点を指摘されると耳が痛いという声があるのもわかる。だが、厳しいレビューを下すかたがたは総じてローグライトへの理解度があるかただというのも認めざるを得ない。これは賛否両論があってこそのゲームエンタメなので評価は据え置きそれでいい…みんなが絶賛してゲームプレイに中毒性を感じるほどの出来ではないと思いました。ただし、このレベルのデッキローグライトゲームを総じて高い完成度でまとめ上げている点は素直に高評価できると思いますね。