カプコンは二次創作ゲーム「MegamanX:Corrupted」を問題視するべきではない | ゲヲログ2.0

カプコンは二次創作ゲーム「MegamanX:Corrupted」を問題視するべきではない



ファンメイド二次創作ゲームという試み

昨今、ファンメイドの二次創作ゲームが公式サイドの許可を得ずに開発中止に追い込まれることが多いのはゲヲログ2.0の読者であれば知っているだろう。権利がらみには手厳しい任天堂も他の多くの他社大手に漏れずそうした態度を~これについてはRedBullのソースが一番詳しいのだが~取ってきた。

『そもそも許可取ってから作れよ!』という論

てか大作や有名なゲームの二次創作については『最低限許可を取ってから作れよ!』という論はマジでわかる。こうしたゲームが開発中止に追い込まれるのは、単純に公式の許諾を取っていないからだからだ。また、なぜカネを取らずにファンメイドに対する熱意のみでここまでガンガンに開発を進めるのか?というとこれまたまったくわからん思考領域の問題になる。だって『おまいら、こんな違法な二次創作の下で作るゲームは認められねえから開発止めろよ!馬鹿タレ』って公式に言われたときのリスクが強いじゃない?現にそういわれてるゲームが多くあるわけだから。だが、その公式からのオフレは経営的に正しいのだろうか?

ゲーム産業が学べる『シャープは亀山工場を作るべきでなかった』

まず、ゲーム消費者が自分の意見をゲーム開発側に伝えること自体は悪いことではない。むしろ良いことである。消費者のもっとも欲するゲームを開発側がヒアリングできるからだ。日本のゲーム産業暗黒期は、そういう意味で、日本の電器産業白物家電の凋落に似ているといえる。例えば、シャープの事例は良い教材になる。シャープがなんであそこまでの経営危機に追い込まれた?というと、消費者が何を欲しているのか?それを会社が理解していなかったから、ということが挙げられる。あの時点でできることはソフトウェアにシフトすることだったはずだし、それが実行できていれば亀山工場も作る必要はなかった。そう!当時の時代はソフトウェアの土壇場だったのだ!ありていに言えばシャープはアップルを模範とするべきだった(だが、そうしなかったから鴻海に買われた)。

時代はプロシューマ?

繰り返すようにゲームでも同じことは言える。そして、まさに当てはまる現象はプロシューマという言葉の応用系でもある。かつて消費者は単一のチャネルやクラスタの下、単に製造物を消費するだけだった。だが、昨今は消費者の意見を聞いてそいつを公式が開発に直にいかすという試みが盛んになっている。消費者が生産に関わる・製造過程において公式サイドが消費者の意見を詳しく聞く…こうした試みが昨今は流行になっていて、消費者と開発者が一体化しているのが特徴的な形である。そうした応用の応用をつぶさに見ていくとわかることなんだが…ゲームの二次創作も安易につぶさずにコアな消費者のプロシューミングの一環ととらえたほうが良いケースもマジであるはずなのだ。

バイオハザードRE:2が成功した理由

例えば、バイオハザード2のリメイク「バイオハザードRE:2」がこうしたプロシューミングによって出来た画期的なタイトルであることはよくよくゲーマの間で知られている~これについてはゲムスパのソースが一番詳しい~。こうした事実があるからこそいえるのだが、その流れにおいて本格的すぎる「ロックマンX」の二次創作ゲーム「MegamanX:Corrupted」のことをIPの権利保持会社であるカプコンは問題視するべきではない。そうする限り、カプコンはスクエニのようにゲーム開発において先細っていってしまうだろう~「クロノ・リザレクション」のように「MegamanX:Corrupted」を潰すべきでない~。ロックマンのチームはこのプロシューミングの法則を絶対に忘れないでほしいんだ。カプコンにはスクエニのようになってほしくない。

「ロックマンX」の後継タイトルを作る一番簡単な方法

むしろプロシューミングの成功例として、バイオ2リメイクに続くタイトルとして、長らく発売されていない「ロックマンX」の後継タイトルとして、「MegamanX:Corrupted」のプロジェクトを公式が開発側に取り入れられるべきなのは経営判断上間違いなく良いことだ。この二次創作ゲームは工夫やひねりが利いていて、「ロックマンX」IPの後継作として完成度が極めて高いことはコアゲーマの間でよくよく知られている。それぐらい良く出来たタイトルである。悲観的になる必要はない。ゲームの開発者や現権利者は「MegamanX:Corrupted」という二次創作作品の延長上の目標を自然発生的に持っているのは間違いないので、むしろ良いポジションを陣取っているのだ。

カプコンとゲーム開発の轍

「ダイの大冒険」はアニメ化には成功したけどゲーム化には大失敗した。ニコ動で公開されていた二次創作系のアイデアを採用せず、結果的にそいつをないがしろにしたからだ。カプコンにはダイ大のゲーム化チームが踏んだその轍を、再び踏んでほしくないとあたしは考えている。