記事の要約:コエテクの経営の本質は、実はゲームそのものではなく、異分野参入、特に金融投資業への参入である。このコアな人物がコエテクH会長の襟川恵子女史。ゲームで稼いだゼニを何倍にもする手法を築いた業界の異端児。奨学金供与のための財団を設立するなどカリスマ性の強い人物がコエテクを率いている。確かに経営層の高齢化や新世代への橋渡しなど、懸念すべき点は多々あるものの、同じ金融業を標榜するゲヲログとしては勇気づけられる話である。
業界の異端児・投資の神
コーエーテクモホールディングスの会長である襟川恵子さんが設立した教育財団が、神奈川県知事より公益財団法人の認定を受けたことを4Gamerが伝えている(4Gamer.net)。ネット上では、特に数年前からこの手のコーエー評が増えただろうか?一般的に襟川さんの名前が知られるようになったのはここ数年なことな気がする。今となっては大分有名なことだが、コーエーテクモの経営の系が優れているのは、ぶっちゃけて言うと、そのゲーム自体ではない。優れているのは、恵子女史の金融的な発想であって、この女傑会長は投資の神として、ゲーマの中で一般的には知られている。では、コーエーテクモとはどういう会社なのだろうか?この辺りから紐解いていきたい。
コエテクの経営的特徴
現在、この会社のシャチョーには襟川陽一さんが就いている。このかたは上述の恵子女史(女史は多摩美術大学の卒)の夫であり、慶応の商学部の出である(Wikipedia)。家業の廃業を経験しながら、その再興を模索し、ゲームに目をつけた陽一は、その後ゲームクリエイターに転身、「信長の野望」というIPを生み出す。このIPの大ヒットに恵まれたコーエーは、その後テクモと統合しコーエーテクモとなる。その持ち株会社がホールディングスというわけだ。実は恵子女史は、そのホールディングスのもう一つの柱である金融業に盛んに手を出している。つまり、恵子女史はゲーム自体で儲けているわけではなく、ゲームで儲かった金を投資に転機することで、莫大な利益を生み出しているのである。実はこれが恵子女史をもってして、経営の天才とされる、異端な経営方針である。
イチロー家のゲーム版?
わかりやすく言うと、多角化だとか異分野参入に成功したわけだ。これで想像につかないかたに、例を出して言っておくと、イチローのゲーム版、と言っていいと思うw。イチロー家も野球で儲けたお金を、イチロー夫人の弓子さん(美容経営業のプロ中のプロとして知られる)が何倍にもしていることで有名だ(女性自身)。ゲーム業界ではその多角化・異分野参入の流れがコーエーテクモの事例というわけだね。だから、コーエーテクモの事例は、ちょうどイチローのゲーム版・イチローの金融版と言っていいんじゃないかな。そう思う。まさか、ゲヲログで女性自身にリンクを張る日が来るとは思わなかった…w
女性のほうが投資業には向いている
このハナシはネット上では、(先述したように)最近になってけっこう有名なハナシになってる(GameSpark)。例えば女史のことを経営の天才と評するゲーマは今となっては多い。もともと恵子さんは美大卒なのにもかかわらず、経理とか経営の数字の部分に詳しくて、ゲームそのものってか、夫がゲーム事業で稼いできたゼニを金融に転化させて、莫大な利益を保持するその素質を持っていたわけだ。美大卒なのにもかかわらず、と言ったが、美大卒だからこそ、という意もあっていいと思う。金融業は空気を読む産業である。鋭敏な感覚が求められるわけだ。女性のほうが金融には向いているってのは業界で有名よね。なぜかっていうと、損切・利確が男性より上手いからだ。男性よりも女性のほうが感覚の機敏さに優れているからだ。
カリスマに頼るがゆえのコエテクの懸念
そんなコーエーテクモだが、恵子女史はもう御年75。これは現時点で、娘さん二人が経営の転換点に位置しているということを意味する。長年、AAAタイトルには恵まれておらず、むしろ恵子女史の金融業で儲けている節が強い。本業があいまいになっている、という批判も確かにある。この辺りの経緯はビジネスジャーナルの記事に詳しいので以下参照のこと(ビジネスジャーナル)。まぁ、簡単に言っちゃえば、コーエーテクモはカリスマの会長の下、投資業で成長しているってことだよね。でも、高齢になっている経営陣が、いずれ退いた後、どうなるかっていうのはコエテクの最大の懸念だとは思うけどね。
立ち戻って,,,奨学金
そういう中で恵子女史が奨学金のプログラムを始め、それが社会的な認知を得たのはすごく良いことだと思うんだ。金融で儲けたお金を社会に還元する、単純な試みでは済まない奥深さを感じる。冒頭に引じた4Gamerの記事はすごく貴重な資料を提供している。女史自身実はシングルマザーの家庭の出自であり、いずれはこうした返済不要な奨学金の家庭支援を行いたいと考えていた、と明かす。これはもう経営のプロというよりかは総合的なカネ回りのプロといったほうが良いだろうな。ユニークな試みで企業イメージのアップも図る,,,襟川恵子が天才とされるゆえんのうちのひとつだろう。実際、今や政治の世界でも給付型奨学金はトレンドである。ましてや、民間からわざわざこんなことをやろうとしているのは、実に素晴らしいことじゃないか!ゲーム業界にとっても未来の拓ける話である。恐らく4Gamerもここらに気付いてインタブー企画を考えたんだろうな、と。
ゲヲログと金融情報学
(既にゲヲログのXアカウント上でも明かしているが…)ゲヲログも金融情報学をテーマにドクター学位の請求論文を書こうとしている(X)。特にゲヲログは、いくつかの見識者の知見を集めた共創型ウェブサイトであるがため、金融に相対するにあたり特異なパフォーマンスを金融情報学の観点で示す可能性があると自負している。だが、なかなかうまくはいかないのが世の常というもの。挑戦と挫折は、研究や経営の成功と失敗にはやはりつきものだ。チャレンジするからこそ、成功があり失敗がある。そしてその道中にはいくつもの大石が転がっていて、それを乗り越える時、その経験自身が教訓になる。恐らく、襟川創業家もそのようにしてコーエーテクモっちゅうゲーム会社を経営してきたんだろうな。その点では、共通項、というか、ある種インスピレーションをゲヲログ自身得ることができるわけだ。そういう理由があるからこそ、恵子女史はゲヲログでは尊敬の対象だ。またそういう経緯があるからこそ,,,
( ゚Д゚)<なうるほど面白い!…というわけだね☆
<了>